1981年(昭和56年)1月、佐渡にいた野生のトキが全捕獲されてからも、トキを見たという情報が寄せられていたそうです。もし、トキとの区別がわからないなと思ったら、確認してみましょう。

 トキと似ている鳥には、全身が白い、いわゆるシラサギ類がいます。佐渡にいるシラサギ類は、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、カラシラサギの5種です。このうち、カラシラサギは佐渡では3回しか観察記録がなく、とてもまれな渡り鳥なのでで対象からはずしても大丈夫でしょう。
 繁殖期(2月~6月)の間、トキの成鳥は、頭、首、背中、翼の前、胸などの上半身が黒灰色をしています。なので、年中全身が白いシラサギ類と見分けるのは簡単です。まちがいやすいのは、7月~2月の間です。繁殖期が終わると、トキは換羽をして黒灰色の羽色から全身白い羽色へと変わります。また、秋から冬にかけては群れをつくって行動範囲が広くなり、人里にも姿を現すようになるため、シラサギ類と間違えやすくなりますが、多くのサギ類は南に旅立って少なくなります。

サギ類は、首も脚も長くてすらっとしていて、飛ぶ時は首をたたみ、脚は長くて後ろに延びています。トキは、飛ぶ時は首を伸ばし、脚は短いのでほとんど見えません。ぜひ、識別にチャレンジしてみて下さい。

写真提供:日本野鳥の会佐渡支部 近藤健一郎

もうちょっと違う鳥を見たんだけどなぁ、誰だろう? って思ったら、「佐渡田んぼの生きもん図鑑」((一社)佐渡生きもの語り研究所HP)もみてみよう。