佐渡市では、トキと共に暮らしていくためにトキのエサをはじめとする生きもの豊かな田んぼづくり、米づくりを行っています。「生きものを育む農法」という生きものを豊かにする工夫をしています。農薬や化学肥料を5割以上減らすだけでなく、田んぼとそのまわりに生きもののための環境を作りだす農法です。下記5つの「生きものを育む」取り組みのいずれか(複数もOK)と、畦に除草剤を使わずに草刈りをすることによって、魚・昆虫・カエルなどの動物や水辺の植物を育みます。そして、それらを餌にするトキなどの田んぼの鳥が暮らしやすくなる豊かな生態系をつくる努力を続けています。

江(え)をつくる
おいしいお米を作るためには、田んぼから水を抜くことが必要です(中干し・本干し)が、その際に水辺の生きものたちが逃げられる「江(田んぼ内の深み)」をつくります。

ふゆみずたんぼをする
冬も生きものが生息できるように田んぼに水をはる方法ですが、佐渡は冬の間、雨も雪もとても多いため、田んぼ全面には水をはらずにトラクターのわだち跡をつける佐渡オリジナルのふゆみずたんぼです。

ビオトープをつくる
米をつくっていない田んぼに一年を通して水をはり、水辺の生きものがすみやすくします。

魚道をつける
田んぼと水路を魚が自由に行き来できる道をつくります。

無農薬・無化学肥料栽培をする
農薬や化学肥料を使わない米づくりを行い、多様でたくさんの生きものがいる田んぼをつくります。農薬を使わないことでの益虫でもあるトンボやクモがたくさん増えます。

畦に除草剤を使わずに草刈りをする(必須)
佐渡は畦の草刈りをまじめに行ってきた地域ですが、高齢化により除草剤を使うケースがみられるようになりました。しかし、畦はトキにとって夏の時期の大切なエサ場となるため、手間をおしまずに畦の草刈りを行っています。