治療中のトキ死亡

治療中の様子をお伝えして、トキファン会員の方からも「早く良くなってほしい」というメッセージをいただいていたA45(2016年生まれ、5歳メス)が、残念ながら死亡しました。

 保護・収容した野生下トキの死亡について(環境省の報道資料より)

 「当該個体は、令和3年10月13日(水)に、佐渡市新穂地区の神社境内の木にひっかかっているところを発見され、野生復帰ステーションに保護・収容した個体です。 右脚足根間関節の不完全脱臼等が認められ、治療を継続してきましたが、令和3年12月2日(木)朝に野生復帰ステーション収容ケージで死亡しているのが発見されました。本日、死亡個体の解剖を行った結果、右大腿部から足根間関節の病変に起因すると思われる脱水症、あるいは、関節部の化膿巣からの急性敗血症が疑われましたが、死亡原因は不明です。」

A45は、放鳥したトキから育った「野生下生まれ」同士のペアから生まれて、最初に巣立ちを迎えたトキです。A43(♂)、A44(♀)、A45(♀)の3兄妹でした。2016年当時は「野生下で誕生したトキ同士のペアによるヒナの巣立ちは1974年以来、42年ぶりのこと!」と報道され、トキの野生復帰を見守っていたみんなが繁殖成功を喜びました。https://toki-sado.jp/2016/06/4185/

現在では放鳥されたトキより野生下で生まれたトキの方が多くなり、野生下生まれペアかどうかもさほど話題になりませんが、記念すべき最初の巣立ちビナであり、母親として昨年は2羽のヒナを巣立たせたA45のことを心にとどめたいと思います。

次の記事

冬のトキの暮らし