トキ移送の舞台裏

「舞台裏」とは、ちょっと大げさな表現ですが、佐渡と分散飼育地の間で年に1回は行われているトキの移送作業。どんなふうに運ばれているのでしょう。佐渡トキ保護センターの涌井克彦所長に教えてもらいました。

これが、トキを移送する際の箱です。かつては1羽用の箱しかありませんでしたが、多くのトキを運ぶようになって、2羽用の箱もできました。

左:2羽用(隣にもう1羽入ります。トキはイメージです!) 右:1羽用

箱のサイズ:高さ約50cm、幅約30cm(2羽用は約60cm)奥行約54cm
怪我をしないように上にはスポンジ、下にはカーペットが敷かれています。移動中は暑さが大敵。箱の上に温度管理のための温度計があります。トキの移送は、動物専門の運搬業者さんにお願いしているそうです。

  • 10月25日 多摩動物公園(6羽)、長岡トキ分散飼育センター(7羽)
    早朝、多摩動物公園出発。長岡トキ分散飼育センター経由で昼過ぎにカーフェリーで佐渡へ渡る。夕方、13羽が無事に野生復帰ステーションに到着。移動時間は約10時間。
  • 10月26日-27日 出雲トキ分散飼育センター(4羽)、いしかわ動物園(4羽)
    朝、出雲トキ分散飼育センター出発。いしかわ動物園経由で新潟まで。翌朝、始発のカーフェリーで佐渡へ。朝、8羽が無事に野生復帰ステーションに到着。移動時間は約24時間。

トキ、そしてドライバーさんも、お疲れさまでした!!! 今回、野生復帰ステーションに到着したトキは、健康状態をチェックしてから繁殖ケージと呼ばれる八角形のケージに入りました。来年3月には、この中から選ばれたトキたちが6月の放鳥に向けて順化ケージに移されます。