個体数の増加が緩やかに?

環境省佐渡自然保護官事務所が、野生下トキの総個体数を更新しました。

野生下トキの総個体数(2020年12月31日時点)
 推定個体数 442羽(佐渡島内442羽/本州0羽)
 ※推定個体数=放鳥トキ個体数+野生下生まれトキ推定個体数

<放鳥トキ個体数>
 放鳥数    398
 うち生存扱い 165

<野生下生まれトキ推定個体数>
 野生下で誕生し、生存しているトキの推定個体数 277

 ~277羽の内訳~
 野生生まれ(足環なし個体) 157
 野生生まれ(足環装着された個体) 120

 これは11月に行われたトキのねぐら出一斉カウント調査の結果などから算出した推定個体数ですが、前回発表された9月24日時点の推定個体数458羽から、16羽減ったことになります。
1年前の数字を見ても、2019年12月23日時点で426羽なので、それから16羽しか増えていません。算定の仕方が違うので一概に比較はできないと思いますが、それでも増加の伸びが鈍ってきているように見受けられます。

これについては、
 初期の放鳥個体が高齢化し死亡数が増えた。
 最近、新規放鳥個体の定着がうまくいかず死亡する事例が増えた。
 野生下でのトキの繁殖成功率が低下している。
などの要因が考えられるそうです。

「トキが増えた」と安心するのではなく、人とトキが共に暮らす島でありつづけるためには何をしたらいいか、まだまだ知恵と力が必要です。