トキ野生復帰ロードマップ2020の目標達成
環境省からの発表で、トキ野生復帰ロードマップ2020が2年前倒しで目標が達成されました。
トキの野生復帰の取り組みは、「トキ保護増殖事業計画(平成16年農林水産省、国土交通省、環境省告示第1号)」に基づく行程表として平成28年3月に策定された『トキ野生復帰ロードマップ2020』に記載された「2020年頃に佐渡島内での220羽のトキの定着」を目標として実施してきました。佐渡島内のトキの定着数については、本日時点の推定で、前年同時期に放鳥したトキと巣立ちした幼鳥が定着数に加わったことにより合計220羽を超えております。トキの野生復帰が順調に進んだことにより、2年前倒しで目標を達成しました。
なお、目標を達成したところではありますが、引き続き、『トキ野生復帰ロードマップ2020』に基づき、佐渡市民をはじめとする関係の皆さまとトキ野生復帰事業を順応的に展開していくとともに、新たなロードマップの検討をトキ野生復帰検討会や人・トキの共生の島づくり協議会の場等を通じて開始していく所存です。
※トキの定着数
一年以上生存が確認されている放鳥トキ+一年以上生存が確認されている野生下生まれの足環装着トキ+野生生まれの足環のないトキ(推定数)
※平成30年4月1日現在の佐渡島内のトキ定着数 186羽
※直近で定着数が増加している要素
・第16回放鳥(2017年6月2日~4日)の放鳥トキ(19羽)のうち一年生存した個体(10羽)
・昨年野生下で巣立った(2017年5月17日~6月6日)野生生まれトキのうち足環装着した個体(22羽)のうち一年生存した個体(22羽)
・昨年野生下で巣立った(2017年5月17日~6月6日)野生生まれトキのうち足環装着できなかった個体(24羽)のうち一年生存した個体(推定数未確定)
≪参考≫
(1)「トキ野生復帰ロードマップ2020」の位置づけと検討経緯
トキの野生復帰は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく「トキ保護増殖事業計画(平成16年農林水産省、国土交通省、環境省告示第1号)」に沿って進められており、2003年策定の「環境再生ビジョン」で掲げた「2015年頃に小佐渡東部での60羽のトキの定着」の目標達成に向け、2013年2月に「トキ野生復帰ロードマップ」を策定し、事業を実施してきた。2014年6月時点のトキの定着羽数が75羽となり、同ビジョンの目標が達成されたことから、これまでの取組評価に基づき2020年までの野生復帰の方針を示すとともに、次期目標を達成するための工程表として、「トキ野生復帰ロードマップ2020」を策定した。なお、同ロードマップについては、トキ野生復帰検討会での検討内容を踏まえ策定した。
(2)「トキ野生復帰ロードマップ2020」の主なポイント
1・達成すべき目標について
2020年(平成32年)頃に佐渡島内に220羽のトキを定着させる。
※「220羽の定着」とは、220羽以上の個体が野生下で1年以上生存し、かつ、 野生下で繁殖した個体を含む個体群が形成されているものとする。
2・定着の目標エリアについて
今後の個体数の増加に伴い、生息エリアの島内全域への拡散が想定されるため、定着の目標エリアは、佐渡島全域とする。
3・目標達成への主な取組み
ⅰ)毎年30ペア程度で繁殖に取り組み、全体で200羽程度の飼育個体群を維持
ⅱ)2020年までは年2回、最大40羽程度の放鳥を継続
ⅲ)野生下のトキに関する佐渡島内・本州での新たなモニタリング体制の検討・構築
ⅳ)採餌環境等の生息環境維持、農家やトキ関連活動団体への支援体制整備
ⅴ)観察施設等の整備や「トキと共生する佐渡」の情報発信による佐渡島内外への普及啓発
(3)参考資料(以下のURLよりそれぞれダウンロードして下さい。)
▼トキ野生復帰ロードマップ2020
▼トキ野生復帰の取組み評価
▼トキ野生復帰検討会