野生下のトキの今期最初の抱卵確認
新潟県佐渡市において、野生下のトキの今期最初の抱卵が確認されました。3月22日(木)時点で、営巣が確認されているペアは2組、そのうち1組で抱卵が確認されています。
1 営巣・抱卵を確認したペア
(1)個体番号:No.161(2011年生まれ、7歳オス) 及び No.149(2012年生まれ、6歳メス)
No.161:第9回放鳥個体(2013年9月27日飛翔、野生復帰ステーション生まれ)
No.149:第8回放鳥個体(2013年6月7日飛翔、野生復帰ステーション生まれ)
※2015年からペアを形成しており、以降、毎年ヒナを巣立ちさせている。
(2)確認日:平成30年3月22日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)状況:このペアは、3月14日(水)に今期初となる営巣を確認していたペアである。
3月22日(木)6時30分頃、環境省職員がモニタリングを行っていたところ、スダジイの樹上に造られた巣上で2羽が交代で座り込む様子が確認できたことから、抱卵を開始したものと判断した。
なお、同ペアは3月20日(火)のモニタリングにおいて、座り込むような様子が確認されていたが、同ペアが巣を離れた直後にカラスが卵らしい白い物をくわえて巣から出ていくところが目撃され、その後のペアの行動から抱卵開始の判断は見送っており、3月21日(水)のモニタリングにおいても、座り込む様子は確認されていなかった。このため、現在抱卵している卵は、3月21日(水)の夕刻以降に産卵したものと推察される。営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。