佐渡自然保護官事務所 首席自然保護官着任

みなさま、こんにちは。4月1日付けで広野の後任として参りました若松です。 トキの繁殖期真っ只中での着任となり、右往左往しているうちに一ヶ月が経過していたというのが率直なところですが、今シーズンは飼育も野生も今のところ好調で忙しいながらもやりがいを感じながら佐渡での勤務をスタートさせて頂いております。

 佐渡に来てまず最初に驚き感動したことは、佐渡の皆さまの環境保全意識の高さです。これを最初に実感することとなったのはコンビニでの買い物の一コマですが、商品を持ってレジで支払いを済ませ袋詰めをしてもらえるものと期待していると、「ここはトキの島だからゴミはなるべく出さないようにマイバックをお願いしているんですよ」と店員さんから一言。
 語弊があるかもしれませんが、コンビニの店員さんからトキの保全(自然環境保全)のためという理由付きでマイバックを推進している旨の説明がされるとは思ってもおらず、少し恥ずかしい思いをした一方で、こういう意識が普通に浸透している佐渡の凄さを最初に感じた瞬間でした。
 その後、色々な生き物の姿が見られる田んぼや立派な屋敷林などトキも生息できる自然環境の整備に佐渡の皆さまが長い間取り組んでこられたことを感じる場面が多々あり、トキの野生復帰が着々と進んでいる最大の要因は、こうした地域の皆さまの高い意識と実行力にあるのだということを、日を追うごとに強く実感しています。

トキの田んぼアート田植えをする若松さん

 このような佐渡の皆さまのご努力によりトキの野生復帰は軌道に乗り始め、野生下でも着実に世代を重ね始めています。次のステップとしては、野生下のトキが安定的に生息している状況を維持していくとともに、トキのことをより多くの方に知って頂くため野生下のトキもご覧頂ける環境整備を行っていくこと、そしてトキが生息し世代を重ねていけるという佐渡でしか成し得ていない佐渡の先進的な取組みとその賜である佐渡の素晴らしい現状を国内外に発信していければと考えています。
 最後に、地域が元気でなければ何も出来ないと考えておりますので、世界文化遺産登録を目指して進められている佐渡金銀山、世界農業遺産、ジオパークといった佐渡3資産の取組みなどとも連携させて頂き、トキが果たせる地域振興・観光振興という点でも積極的に貢献していければと考えています。長くなりましたが、皆さま、どうぞ宜しくお願い致します!!