野生下トキ 今期最初の巣立ち

トキ巣立ち
巣立ちしたヒナ1羽(No.B05)(No.172、足環なしペア)

環境省からの発表で、5月17日(水)新潟県佐渡市において、本日、4月14日にヒナを確認していた野生下のトキのペアにおいて、今期最初の巣立ちを確認しました。また、同日時点での営巣状況は、1組で巣立ちを確認、営巣が確認されているペアは、全体で42組、そのうち29組で育雛、12組で抱卵が確認されています。

巣立ちを確認したペアについて
(1)個体番号:No.172(2011年生まれ、オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成29年5月17日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:
4月14日にヒナ1羽の姿を確認し、4月26日にヒナ計4羽の姿を確認していた。また、5月9日には、ヒナ4羽へ足環装着(No.B04,B05,B06,B07)を行っている。5月17日6時18分頃から8時10分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣の様子を観察したところ、7時49分頃に1羽(No.B05)のヒナが巣の近くの枝に両脚で留まる様子が確認されたことから、1羽(No.B05)が巣立ちをしたと判断した。5月15日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。

2012年~2017年の繁殖結果・繁殖状況

  営巣  ふ化巣立ち  
  形成ペア数ヒナをふ化させた
ペア数
ふ化したヒナの
ペア数 
巣立ちさせた
ペア数
巣立ちした羽数 
2012年188
2013年2414
2014年3514361131
2015年38122116
2016年5325531940
2017年61※3170

※現時点までに形成されたペア61組のうち
・営巣中のペア42組(うち29組が育雛、12組が抱卵、1組が未抱卵)
・営巣・抱卵・育雛を中止したペア18組

【トキの巣立ちについて】
環境省では、トキの巣立ちについて、飼育下で適用している定義と同じく「両脚を巣の外に完全に出すこと」としている。一度巣の外に出ても再び巣に戻ることもあるが、数日中にはほとんど巣を離れ、他の枝に飛び移ったり、地上に降りたりという行動が見られることが多い。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。