広野首席保護官よりトキファンクラブ会員のみなさまへ

広野行男さん

2013年から4年間、トキ野生復帰に尽力され、今年4月に沖縄の事務所に異動になった広野行男さんからトキファンクラブ会員のみなさまへメッセージをいただきました。

 この3月まで、佐渡自然保護官事務所でお世話になりました広野です。2013年6月から約4年もの間、「トキの野生復帰」という貴重な現場の仕事を経験させていただきました。皆様より多くのご支援やご指導を賜りましたこと、深く御礼申し上げます。

 着任当初、野生トキの個体数は60羽ほどでしたが、現在では約200羽まで増えてまいりました。昨年は、野生生まれ同士のペアから、 “純野生トキ”が誕生し、将来的に目指す自然状態に少しずつ近づいていっています。

 絶滅危惧を脱するレベルにはまだこれからが重要ですが、佐渡の里地里山ではトキの姿が少しずつ日常のものになってきています。単に個体数だけでは言い表せない確かな状況が生まれてきているものと実感します。

 これまで佐渡で進められてきたトキを象徴とした環境の再生、自然との共生の取組が、これから他の地域にも広がり、トキの野生復帰がさらに確かになっていくことを願っております。今後とも引き続きまして、トキ野生復帰へのご支援、ご協力をよろしくお願いします。

 私は4月より、那覇自然環境事務所に異動となり、慶良間諸島等の国立公園の管理やサンゴの保全などに関わる予定でおります。大変お世話になりましたこと、この場をお借りしまして御礼を申し上げます。

那覇自然環境事務所 広野行男