野生下で誕生したトキ同士のペア(3組目)のヒナ巣立ち
平成28年6月23日(木)環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、5月10日にヒナ誕生を確認していた野生下で誕生したトキ同士のペアにおいて、巣立ちが確認されました。なお、野生下で誕生したトキ同士のペアからのヒナの巣立ちは、3組から合計で6羽となりました。本日までに、17組で巣立ちを確認し、2組で育雛が確認されています。
1 巣立ちを確認したペア(野生下で誕生したトキ同士のペア)について
(Ⅰ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A21(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年6月23日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、5月10日に給餌行動(ヒナ誕生)が確認され、5月17日にヒナ1羽、5月25日にヒナ計2羽を確認していた。足環装着については、巣が枝の先端付近にあり、捕獲作業によるヒナの安全確保が困難と判断されたことから、実施を見送っていた。
6月23日午前5時40分頃から午後6時5分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、ヒナ1羽が巣の近くの枝に留まる様子が確認されたことから、同個体が巣立ちをしたと判断した。6月22日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。
なお、もう一方のヒナについては姿が確認できず、何らかの理由で行方不明になったものと判断した。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年6月21日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、5月29日にヒナ1羽を確認し、6月7日に足環装着(No.A60)を実施していた。6月21日午前4時50頃から午後3時50分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、午後3時10分頃にヒナ1羽(No.A60)が巣の近くの枝に留まる様子が確認されたことから、同個体が巣立ちをしたと判断した。6月18日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。