野生下で誕生したトキ同士のペア(2組目)ヒナ巣立ち

環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、5月10日にヒナ誕生を確認していた野生下で誕生したトキ同士のペアにおいて、巣立ちが確認されました。野生下で誕生したトキ同士のペアからの巣立ちは合計で4羽となりました。平成28年6月14日時点、13組で巣立ちを確認し、営巣が確認されているペアは、全体で7組、そのうち6組で育雛、1組で抱卵が確認されています。

1 巣立ちを確認したペア(野生下で誕生したトキ同士のペア)について
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A14(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年6月13日(月)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、5月10日にヒナ誕生を確認していた。6月13日午前5時50分頃から午後3時26分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、午後3時20分の時点で、ヒナ1羽(No.A54)が巣の近くの枝に留まる様子が確認されたことから、同個体が巣立ちをしたと判断した。6月12日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。

2 育雛中止を確認したペアについて
(1)個体番号:No.179(2012年生まれ、オス) 及び No.120(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年6月12日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、5月15日に再営巣・抱卵を確認していた。6月11日午前11時3分頃から11時35分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の様子を観察したところ、親鳥1羽がヒナに餌を与える様子を確認したことから、ヒナが誕生しているものと判断していたが、6月12日午前8時25分頃から8時52分頃にかけて、また、午後0時4分頃に環境省職員が巣の様子を観察したところ、いずれも巣が空いた状態となり育雛の継続が確認できなかったことから、育雛中止をしたものと判断した。なお、同日に巣の下を踏査したところ、ヒナ及び卵の殻等は確認されず、巣内の観察は困難であり、育雛を中止した理由は不明である。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。