野生下のトキの営巣状況(5/10)
平成28年5月10日(火)、環境省からの発表で、野生下で誕生したトキ同士のペア2組(3組目及び4組目)から、ヒナが誕生しているのが確認されました。営巣が確認されているペアは、全体で32組、そのうち17組で育雛、14組で抱卵が確認されています。
ヒナを確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.110(2010年生まれ、オス) 及び No.163(2011年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年5月8日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月29日に営巣・抱卵を確認していた。5月8日午前7時45分頃から8時5分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、巣上に親鳥とともにいるヒナ1羽の姿を確認した。5月5日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
(Ⅱ)野生下で誕生したトキ同士のペア
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A14(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年5月10日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月7日に営巣・抱卵を確認していた。5月10日午前8時20分頃から9時22分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、巣上に親鳥とともにいるヒナ1羽の姿を確認した。5月9日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペア(野生下で誕生したトキ同士のペア)について
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A21(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年5月10日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月6日に営巣・抱卵を確認していた。5月10日午前5時39分頃から6時54分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、親鳥がヒナに餌を与える様子を確認したことから、ヒナが誕生しているものと判断した。5月9日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
再営巣・抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.136(2009年生まれ オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成28年5月6日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月10日に営巣・抱卵が確認された後、4月18日に抱卵中止を確認していた。5月6日午後3時40分頃から3時46分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、スギの巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を再開したものと判断した。5月3日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.227(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年5月9日(月)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月11日に抱卵が確認された後、4月30日に抱卵中止を確認していた。5月9日午前8時15分頃から8時34分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、落葉広葉樹の巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を再開したものと判断した。5月2日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、集落に隣接する雑木林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。
抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:No.179(2012年生まれ、オス) 及び No.120(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年5月6日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、5月2日に営巣を確認していた。5月6日午前5時30分頃から5時40分頃にかけて、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、巣上にNo.120(メス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。5月5日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
抱卵中止を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.114(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年5月9日(月)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月25日に再営巣・抱卵を確認していた。5月9日午前6時30分頃から8時43分頃にかけて、環境省職員が巣の様子を観察したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点では実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.A18(2014年生まれ オス) 及び No.217(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年5月10日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月26日に再営巣・抱卵を確認していた。5月9日午前6時25分頃から6時42分頃にかけて、また、5月10日8時35分頃から8時39分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の様子を観察したところ、いずれも巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点では実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。