野生下で誕生したトキ同士のペア 育雛中止

平成28年4月28日(木)環境省からの発表で、4月21日にヒナ誕生を確認していた野生下で誕生したトキ同士のペアについて、育雛中止が確認されました。

1 育雛中止を確認したペア(野生下で誕生したトキ同士のペア)について
(1)個体番号:No.A02(2013年生まれ、オス) 及び No.A01(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年4月28日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月21日にヒナの誕生を確認し、25日まではヒナの姿が確認されていた。4月26日午前7時9分頃から10時9分頃にかけて、また、27日午前5時21分頃から9時21分頃にかけて、環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、映像を確認したところ、いずれにおいても巣上に2羽が交互に座り込む様子が確認されたものの、ヒナの姿や明確な給餌行動は確認されなかった。さらに、4月28日午前5時36分頃から9時32頃にかけて環境省職員が同様の撮影を行い、映像の確認を行った際にもヒナの姿は確認できず、給餌行動もみられなかったことから、育雛を中止したものと判断した。なお、巣内の観察は困難であり、育雛を中止した理由は不明であるが、巣上に座り込む様子が継続してみられていることから、経過観察を行うこととする。

抱卵交代をするトキ
No.A01からNo.A02への抱卵交代

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。