野生下で誕生したトキ同士のペア(2組目)のヒナ誕生
平成28年4月28日(木)環境省からの発表で、本日、3月31日に営巣・抱卵を確認していた野生下で誕生したトキ同士のペア(2組目)から、ヒナが誕生しているのを確認しました。合わせて、本日時点での野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。営巣が確認されているペアは、全体で42組、そのうち8組で育雛、32組で抱卵が確認されています。
1 ヒナを確認したペアについて
(Ⅰ)野生下で誕生したトキ同士のペア
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成28年4月28日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月31日に営巣・抱卵を確認していたが、産卵時期の推定が困難となっていた。4月28日午前5時56分頃から9時55分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、親鳥がヒナに給餌する様子がみられ、その際に巣上にヒナ1羽の姿を確認した。26日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

(Ⅱ)
(1)個体番号:No.81(2007年生まれ、オス) 及び No.66(2009年生まれ、オス)
(2)確認日:平成28年4月28日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月18日に営巣・抱卵を確認していたきょうだいペアである。4月28日午前7時26分頃から7時49分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、親鳥がヒナに給餌する様子がみられ、その際に巣上にヒナ1羽の姿を確認した。25日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
2 再営巣・抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:No.A18(2014年生まれ オス) 及び No.217(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月26日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月21日に営巣・抱卵が確認された後、4月24日に抱卵中止を確認していた。4月26日午後3時25分頃から3時32分頃にかけて環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、スギの巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を再開したものと判断した。4月25日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
3 抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:No.92(2009年生まれ オス) 及び No.200(2012年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月27日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月15日に営巣を確認していた。4月27日午前7時45分頃から8時3分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、巣上に2羽が交互に座り込む様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。4月25日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
4 営巣・抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.213(2013年生まれ オス) 及び No.230(2013年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月27日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:この2羽は、飼育番号No.333(オス)とNo.139(メス)の子にあたるきょうだいペアである。3月中から2羽で行動する様子が観察され、4月下旬頃にかけて営巣地付近で同ペアとみられる個体が巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月27日午前8時33分頃から9時20分頃にかけて、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に2羽が交互に座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。4月25日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。