野生下トキの営巣状況(4/8)

平成28年4月8日時点でのでの野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。営巣が確認されているペアは全体で31組、そのうち27組で抱卵が確認されています。

1 抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A21(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月5日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月5日に営巣を確認していた。4月6日午後2時16分頃から2時26分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。4月5日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

2 営巣・抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A14(2014年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月7日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月下旬頃にかけて同ペアとみられる個体が、営巣地付近で行動する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月7日午前5時47分頃から6時11分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上に足環なし個体(オス)が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。4月5日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成28年4月8日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、個体の特定ができない状況の中、3月31日の時点でスダジイの樹上に巣が造られ抱卵する様子が確認されていたが、31日以降も個体の確認ができない状況となっていた。4月8日午前8時40分頃から9時頃にかけて、環境省職員が営巣木のある林内にビデオカメラを設置し撮影を行い、撮影された映像を確認したところ、2羽の足環なし個体が交互に抱卵する様子が見られたため、足環なし個体同士のペアであることが判明した。 これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。営巣場所は、集落に隣接する雑木林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。

抱卵するトキ
巣を整えた後抱卵する足環のない個体(足環のない個体、足環のない個体ペア)


(Ⅲ)
(1)個体番号:No.187(2012年生まれ メス) 及び No.232(2013年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月8日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月下旬頃から営巣地付近で枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月8日午前9時頃から9時22分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。4月5日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

3 営巣を確認したペアについて
(1)個体番号:No.211(2013年生まれ オス)  及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成28年4月8日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:4月上旬から同ペアとみられる個体が、営巣地付近で行動する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月8日午前6時20分頃から6時50分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、2羽で巣造りする様子が確認され、スギの樹上に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。