野生下で誕生したトキ同士の抱卵確認
新潟県佐渡市において、3月18日に営巣を確認していた野生で誕生したトキ同士のペアで、抱卵する様子を確認しました。野生下で誕生した個体同士による抱卵確認は、今期最初となりますので、以下のとおりお知らせします。平成28年3月21日(月)、時点で、営巣が確認されているペアは9組、そのうち4組で抱卵が確認されています。(環境省)
1 抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年3月20日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月10日に営巣を確認していた。3月20日午前6時50分頃から8時20分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員及び市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上にNo.98(オス)とNo.156(メス)が交代で座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。3月18日の夕方に環境省職員が観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、19日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.A02(2013年生まれ、オス) 及び No.A01(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年3月20日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、野生下で誕生した個体同士のペアで、3月18日に営巣を確認していた。3月20日午前9時12分頃から9時37分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)巣を観察したところ、巣上にNo.A01(メス)が座り込んでいるとみられる様子が確認され、同日午後3時30分頃から3時42分頃にかけて、同職員が観察した際には、No.A02(オス)が座り込む様子が確認されていた。また、3月21日午前6時34分頃から同7時35分頃にかけて、同職員が観察を行った際にもNo.A02(オス)とNo.A01(メス)が交代で巣上に座り込む様子が確認されたことから、前日の時点で抱卵を開始したものと判断した。3月19日の日中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、19日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

(Ⅲ)
(1)個体番号:No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.114(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年3月20日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月18日に営巣を確認していた。3月21日午後0時49分頃から1時15分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、巣上にNo.50(オス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。3月18日夕方に環境省職員が観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、19日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。