野生下トキの営巣状況(5/8)
営巣・抱卵中のペア(平成27年5月8日時点)
ペア数 | |
営巣が確認されているペア | 18 組 |
育雛中(営巣中内) | 7 組 |
抱卵中(営巣中内) | 11 組 |
再営巣・抱卵を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.A02(2013年生まれ、オス) 及び No.A01(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月3日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアのうち、No.A02は2013年の繁殖期にNo.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体で、No.A01は2013年の繁殖期に、No.33(2008年生まれ、オス)とNo.38(2007年生まれ、メス)のペアから誕生した個体である。このペアは、4月10日に営巣・抱卵が確認された後、4月20日に抱卵を中止していた。5月3日午前8時10分頃に、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子を確認したことから、抱卵を再開したものと判断した。
5月2日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、2日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、4月10日に営巣・抱卵が確認された場所と同位置で、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.107(2010年生まれ、オス) 及び No.95(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月5日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、飼育番号No.80(2004年生まれ、オス)とNo.36(2002年生まれ、 メス)の子できょうだい(同年同巣の兄妹)にあたり、3月29日に抱卵が確認された後、4月6日に抱卵を中止していた。5月5日午前5時40分頃に、モニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。5月4日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、4日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣・抱卵を確認したペア
(1)個体番号:No.90(2009年生まれ、オス) 及び No.180(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月7日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経 過:このペアのうち、No.180(メス)は、平成26年6月6日に放鳥され7月12日に新潟県村上市内で確認された後、平成27年3月26日に佐渡島内で確認されていた。
4月下旬頃から2羽で探餌する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
5月7日午前4時57分頃に、モニタリングチーム(市民ボランティア)が観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認し、同6時22分頃から7時30分頃にかけて、環境省職員が同巣を観察した際にも抱卵する様子が確認されたため、抱卵を開始したものと判断した。6日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、6日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約12メートル程度の高さに造られている。
育雛中止を確認したペア
(1)個体番号:No.71(2009年生まれ、オス) 及び No.79(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月5日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月29日に給餌行動(ヒナ誕生)を確認していた。5月4日午前7時55分頃に、環境省職員が巣を観察したところ、巣上にヒナの死体とみられるものを確認し、動画撮影を行い映像を確認したところ、抱卵する親鳥の脇にヒナの死体が写っており、ヒナ1羽が死亡したことを確認した。また、5月5日午前5時2分及び5時54分頃に、環境省職員が巣を観察したところ、巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。5月3日午前中に観察を行った際は、No.79(メス)が抱卵する様子が観察されており、ヒナが死亡した原因及び抱卵を中止した理由は不明である。
抱卵中止を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.92(2009年生まれ、オス) 及び No.200(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月3日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月2日に抱卵を確認していた。5月3日午前10時頃から11時30分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、抱卵をしていない状況が確認され、午後3時20分頃に、同職員が同巣を再度観察した際にも巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、巣の下を踏査したところ、卵の殻1個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.72(2009年生まれ、オス) 及び No.A04(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月4日(月)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月3日に営巣を確認していた。5月3日午前8時50分頃から9時8分頃にかけて、環境省職員が観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子を確認していたが、5月4日午前5時10分頃から午後2時頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(新潟大学職員)が同巣を複数回確認した際には、抱卵する抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅲ)
(1)個体番号:No.177(2012年生まれ、オス) 及び No.199(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月5日(火)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月13日に抱卵を確認していた。5月5日午後2時40分頃に、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、同4時20分頃に、2羽が林外で探餌する様子が観察されたことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅳ)
(1)個体番号:No.108(2010年生まれ、オス) 及び No.114(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月7日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月18日に抱卵を確認していた。5月7日午前5時頃から5時10分頃にかけて、モニタリングチーム(市民ボランティア)が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、午後2時20分頃に、環境省職員が同巣を観察した際にも巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅴ)
(1)個体番号:No.137(2011年生まれ、オス) 及び No.194(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月7日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月27日に抱卵が確認された後、4月13日に抱卵を中止し、4月25日に再抱卵が確認されていた。5月7日午前7時11分及び9時3分頃に、環境省職員が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅵ)
(1)個体番号:No.106(2010年生まれ、オス) 及び No.122(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月8日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月25日に抱卵を確認していた。5月8日午前5時28分頃から5時40分頃にかけて、環境省職員が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、同8時50分頃から9時50分頃にかけて、2羽が林外で探餌する様子等が観察されたことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅶ)
(1)個体番号:No.136(2009年生まれ、オス) 及び No.196(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年5月8日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月7日に抱卵が確認され、4月17日に抱卵の中止が確認された後、4月29日に、同ペアとみられる個体が再抱卵する様子を確認していた。5月8日午前9時45分頃及び10時47分頃に、環境省職員が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(1)営巣中(育雛中) | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.67 2009年 オス No.80 2010年 メス |
3月23日 スギで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 4月24日 ヒナ1羽を確認 4月29日 ヒナ計2羽を確認 |
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
3月15日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) 4月24日 給餌行動を確認 4月26日 ヒナ1羽を確認 |
No.68 2009年 オス No.78 2010年 メス |
3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 4月25日 給餌行動を確認 4月27日 ヒナ2羽を確認 |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 ヒナ1羽を確認 4月30日 ヒナ計2羽を確認 |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
3月26日 スギで営巣を確認 4月1日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月27日 給餌行動を確認 5月1日 ヒナ1羽を確認 |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月28日 ヒナ1羽を確認 |
No.98 2010年 オス No.156 2011年 メス |
3月23日 スギで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 4月29日 ヒナ1羽を確認 |
(2)営巣中(抱卵中) | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.146 2011年 オス No.163 2011年 メス |
4月8日 スギで営巣を確認 4月12日 抱卵確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.161 2011年 オス No.149 2012年 メス |
4月13日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (12日夕刻以降に産卵と推定) |
No.143 2011年 オス No.183 2013年 メス |
4月13日 スギで営巣・抱卵を確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.11 2006年 オス No.03 2005年 メス |
4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) |
No.138 2011年 オス No.195 2012年 メス |
4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 (15日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.127 2011年 メス |
4月22日 クロマツで営巣・抱卵んを確認 (16日夕刻以降に産卵と推定) |
足環無し オス No.A03 2013年 メス |
4月22日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (16日夕刻以降に産卵と推定) |
No.85 2009年 オス No.93 2009年 メス |
4月14日 スギで営巣・抱卵を確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) 4月16日 抱卵中止を確認 4月25日 スギで再営巣・抱卵を確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
No.A02 2013年 オス No.A01 2013年 メス |
4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月20日 抱卵中止を確認 5月3日 クロマツで再営巣・抱卵を確認 (2日夕刻以降に産卵と推定) |
No.107 2010年 オス No.95 2010年 メス |
3月26日 スギで営巣を確認 3月29日 抱卵確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月6日 抱卵中止を確認 5月5日 スギで再営巣・抱卵を確認 (4日夕刻以降に産卵と推定) |
No.90 2009年 オス No.180 2013年 メス |
5月7日 スギで営巣・抱卵を確認 (6日夕刻以降に産卵と推定) |
(3)営巣・抱卵・育雛中止 | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
足環なし オス No.158 2010年 メス |
3月24 日 クロマツで営巣を確認 3月27日 営巣中止を確認 |
No.105 2010年 オス No.157 2010年 メス |
3月22日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 3月27日 抱卵中止を確認 |
No.50 2007年 オス No.114 2011年 メス |
3月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月3日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス No.A03 2013年 メス |
3月27日 クロマツで営巣を確認 4月10日 抱卵確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) 4月12日 抱卵中止を確認 |
足環無し オス No.127 2011年 メス |
3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
足環無し オス No.96 2010年 メス |
3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
No.08 2006年 オス No.25 2008年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月20日 抱卵中止を確認 |
No.91 2009年 オス No.154 2009年 メス |
4月2日 スギで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月8日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |
No.50 2007年 オス No.157 2010年 メス |
4月15日 スギで再営巣・抱卵を確認 4月24日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |
No.48 2007年 オス No.69 2009年 メス |
4月17日 スギで営巣を確認 4月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) 4月21日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス No.148 2012年 メス |
4月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.92 2009年 オス No.200 2012年 メス |
4月26日 スギで営巣・抱卵を確認 (23日夕刻以降に産卵と推定) 4月28日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |
No.72 2009年 オス No.A04 2013年 メス |
4月3日 クロマツで営巣を確認 5月3日 抱卵確認 (2日夕刻以降に産卵と推定) 5月4日 抱卵中止を確認 |
No.71 2009年 オス No.79 2010年 メス |
3月24日 スダジイで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月29日 給餌行動を確認 5月4日 ヒナ1羽の死亡を確認 5月5日 抱卵中止を確認 |
No.177 2012年 オス No.199 2012年 メス |
4月3日 サクラで営巣を確認 4月13日 抱卵確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) 5月5日 抱卵中止を確認 |
No.108 2010年 オス No.114 2011年 メス |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 (17日夕刻以降に産卵と推定) 5月7日 抱卵中止を確認 |
No.137 2011年 オス No.194 2012年 メス |
3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 4月25日 クロマツで再営巣・抱卵を確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 5月7日 抱卵中止を確認 |
No.106 2010年 オス No.122 2010年 メス |
4月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 5月8日 抱卵中止を確認 |
No.136 2009年 オス No.196 2012年 メス |
4月7日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月17日 抱卵中止を確認 4月29日 スダジイで再営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 5月8日 抱卵中止を確認 |
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いいたします。