野生下トキの営巣状況(5/1)
営巣が確認されているペアは、当ペアも含めて22組、そのうち8組で育雛、13組で抱卵が確認されています。(平成27年5月1日時点)
営巣・抱卵中のペア(平成27年5月1日時点)
ペア数 | |
営巣が確認されているペア | 22 組 |
育雛中(営巣中内) | 8 組 |
抱卵中(営巣中内) | 13 組 |
1 ヒナ確認したペア
(1)個体番号:No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月29日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月27日に抱卵を確認していた。4月29日午前9時54分頃に、環境省職員が巣の観察をしたところ、ヒナ1羽の姿を確認し、その直後に親鳥1羽がヒナに餌を与える様子を確認した。25日に観察を行った際は、給餌行動等は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
2 給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペア
(1)個体番号:No.71(2009年生まれ、オス) 及び No.79(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月29日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月27日に抱卵を確認していた。4月29日午前4時59分頃から5時9分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、親鳥1羽がヒナに餌を与える様子を確認したことからヒナが誕生しているものと判断した。26日に観察を行った際は、給餌行動等は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
3 営巣・抱卵を確認したペア
(1)個体番号:No.106(2010年生まれ、オス) 及び No.122(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月25日(土)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月中旬頃から、同ペアとみられる個体が擬交尾する様子や枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月25日午前6時10分頃及び8時30分頃に、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
4 抱卵中止を確認したペア
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.148(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月29日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:4月中旬頃から、同ペアとみられる個体が巣造りする様子が確認され、4月27日には、巣上に足環なし(オス)が座り込む様子を確認していた。4月29日午後3時55分頃から5時5分頃にかけて、環境省職員が観察したところ、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
5 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)営巣中(育雛中) | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.67(2009年 オス) No.80(2010年 メス) |
3月23日 スギで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 4月24日 ヒナ1羽を確認 4月29日 ヒナ計2羽を確認 |
No.86(2009年 オス) No.134(2011年 メス) |
3月15日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) 4月24日 給餌行動を確認 4月26日 ヒナ1羽を確認 |
No.68(2009年 オス) No.28(2010年 メス) |
3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 4月25日 給餌行動を確認 4月27日 ヒナ2羽を確認 |
No.33(2008年 オス) No.38(2007年 メス) |
3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 ヒナ1羽を確認 4月30日 ヒナ計2羽を確認 |
No.74(2009年 オス) 足環なし(メス) |
3月26日 スギで営巣を確認 4月1日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月27日 給餌行動を確認 5月1日 ヒナ1羽を確認 |
足環なし(オス) No.201(2012年 メス) |
3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月28日 ヒナ1羽を確認 |
No.98(2010年 オス) No.156(2011年 メス) |
3月23日 スギで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 4月29日 ヒナ1羽を確認 |
No.71(2009年 オス) No.79(2010年 メス) |
3月24日 スダジイで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月29日 給餌行動を確認 |
(2)営巣中(抱卵中) | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.92(2009年 オス) No.200(2012年 メス) |
4月2日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.146(2011年 オス) No.163(2011年 メス) |
4月8日 スギで営巣を確認 4月12日 抱卵確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.177(2012年 オス) No.199(2012年 メス) |
4月3日 サクラで営巣を確認 4月13日 抱卵確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.161(2011年 オス) No.149(2012年 メス) |
4月13日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (12日夕刻以降に産卵と推定) |
No.143(2011年 オス) No.183(2013年 メス) |
4月13日 スギで営巣・抱卵を確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.11(2006年 オス) No.03(2005年 メス) |
4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) |
No.138(2011年 オス) No.195(2012年 メス) |
4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 (15日夕刻以降に産卵と推定) |
No.108(2010年 オス) No.114(2011年 メス) |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 (17日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし(オス) No.127(2011年 メス) |
4月22日 クロマツで営巣・抱卵んを確認 (16日夕刻以降に産卵と推定) |
足環無し(オス) No.A03(2013年 メス) |
4月22日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (16日夕刻以降に産卵と推定) |
No.137(2011年 オス) No.194(2012年 メス) |
3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 4月25日 クロマツで再営巣・抱卵を確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
No.85(2009年 オス) No.93(2009年 メス) |
4月14日 スギで営巣・抱卵を確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) 4月16日 抱卵中止を確認 4月25日 スギで再営巣・抱卵を確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
No.106(2010年 オス) No.122(2010年 メス) |
4月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
(3)営巣中(抱卵未確認) | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.72(2009年 オス) No.A04(2013年 メス) |
4月3日 クロマツで営巣を確認 |
(4)営巣・抱卵中止 | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
足環なし(オス) No.158(2010年 メス) |
3月24 日 クロマツで営巣を確認 3月27日 営巣中止を確認 |
No.105(2010年 オス) No.157(2010年 メス) |
3月22日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 3月27日 抱卵中止を確認 |
No.50 (2007年 オス) No.114(2011年 メス) |
3月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月3日 抱卵中止を確認 |
No.107(2010年 オス) No.95(2010年 メス) |
3月26日 スギで営巣を確認 3月29日 抱卵確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月6日 抱卵中止を確認 |
足環なし(オス) No.A03(2013年 メス) |
3月27日 クロマツで営巣を確認 4月10日 抱卵確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) 4月12日 抱卵中止を確認 |
足環なし(オス) No.127(2010年 メス) |
3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
足環なし(オス) No.96(2010年 メス) |
3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
No.136(2009年 オス) No.196(2012年 メス) |
4月7日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月17日 抱卵中止を確認 |
No.08(2006年 オス) No.25(2008年 メス) |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月20日 抱卵中止を確認 |
No.A02(2013年 オス) No.A01(2013年 メス) |
4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月20日 抱卵中止を確認 |
No.91(2009年 オス) No.154(2009年 メス) |
4月2日 スギで営巣・抱卵を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月8日 抱卵中止を確認) (卵の殻1個分を回収) 4月15日 スギで再営巣・抱卵を確認 4月24日 抱卵中止を確認 |
No.50(2007年 オス) No.157(2009年 メス) |
4月17日 スギで営巣を確認 4月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) 4月21日 抱卵中止を確認 4月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.48(2007年 オス) No.69(2009年 メス) |
4月26日 スギで営巣・抱卵を確認 (23日夕刻以降に産卵と推定) 4月28日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |
足環なし(オス) No.148(2012年 メス) |
4月27日 スギで営巣・抱卵を確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 4月29日 抱卵中止を確認 |
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いいたします。