野生下トキの営巣状況(4/17)
平成27年4月17日(金)環境省発表の野生下トキの営巣・抱卵状況です。
営巣・抱卵中のペア(平成27年4月17日時点)
ペア数 | |
営巣が確認されているペア | 20 組 |
上記、営巣ペアの内、抱卵が確認されているペア | 18 組 |
1 再営巣・抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:No.91(2009年生まれ、オス) 及び No.154(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月15日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、飼育番号No.34(2001年生まれ、オス)とNo.58(2003年生まれ、 メス)の子できょうだい(同年同巣の姉弟)にあたり、4月8日に抱卵中止を確認していた。4月15日午前7時58分頃に、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、巣上にNo.91(オス)が座り込む様子が確認されたことから、再抱卵を開始したものと判断した。4月9日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、9日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、最初に営巣・抱卵が確認された場所と同位置で、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
2 営巣・抱卵を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.11(2006年生まれ、オス) 及び No.03(2005年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月16日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、2012年の繁殖期からペアを形成し、昨年の繁殖期には2羽をふ化させたが巣立ちには至らなかった。3月下旬頃から枝を運ぶ様子が観察され、4月中旬にかけて2羽で巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月16日午前6時10分頃から7時3分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(市民ボランティア)が観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上にNo.11(オス)が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。4月14日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、14日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.138(2011年生まれ、オス) 及び No.195(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月16日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4) 過:このペアは、3月中旬頃から2羽で探餌する様子が観察され、4月中旬にかけて枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月16日午前8時30分頃から9時20分頃にかけて、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子が市民により観察され、同10時55分から11時12分にかけて、環境省職員が観察を行ったところ、No.195(メス)が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。4月15日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、15日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
3 営巣を確認したペア
(1)個体番号:No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.157(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月17日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアのうち、No.50は、No.114とペアとなり3月25日に営巣・抱卵が確認され4月3日に抱卵中止が確認されており、No.157は、No.105とペアとなり3月22日に営巣・抱卵が確認され3月27日に抱卵中止が確認されていた。4月中旬にかけて、同ペアとみられる個体が2羽で探餌する観察されていたため、注意して観察を継続していた。4月17日午前5時10分頃から7時45分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽がいるのを確認し、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
4 抱卵中止を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.85(2009年生まれ、オス) 及び No.93(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月16日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月14日に抱卵を確認していた。4月16日午前11時23分頃から11時30分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、抱卵をしていない状況が確認され、4月17日午前6時40分頃から6時45分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が同巣を再度観察した際にも巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、16日時点で抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅱ)
(1)個体番号:No.136(2009年生まれ、オス) 及び No.196(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月17日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月7日に抱卵を確認していた。4月17日午前9時32分頃から10時15分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、抱卵をしていない状況が確認され、午前11時41分頃から11時49分頃にかけて、同巣を再度観察した際にも巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
5 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)営巣・抱卵中 | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.86(2009年 オス) No.134(2011年 メス) | 3月15日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし(オス) No.201(2012年 メス) | 3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.68(2010年 オス) No.78(2010年 メス) | 3月23日 スギで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.67(2009年 オス) No.80(2010年 メス) | 3月23日 スギで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.33(2008年 オス) No.38(2007年 メス) | 3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.71(2009年 オス) No.79(2010年 メス) | 3月24日 スダジイで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.137(2011年 オス) No.194(2012年 メス) | 3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.98(2010年 オス) No.156(2011年 メス) | 3月23日 スギで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし(オス) No.127(2010年 メス) | 3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし(オス) No.96(2010年 メス) | 3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.08(2006年 オス) No.25(2008年 メス) | 3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.74(2009年 オス) 足環なし(メス) | 3月26日 スギで営巣を確認 4月1日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.92(2009年 オス) No.200(2012年 メス) | 4月2日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.A02(2013年 オス) No.A01(2013年 メス) | 4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.146(2011年 オス) No.163(2011年 メス) | 4月8日 スギで営巣を確認 4月12日 抱卵確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.177(2012年 オス) No.199(2012年 メス) | 4月3日 サクラで営巣を確認 4月13日 抱卵確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.161(2011年 オス) No.149(2012年 メス) | 4月13日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (12日夕刻以降に産卵と推定) |
No.143(2011年 オス) No.183(2013年 メス) | 4月13日 スギで営巣・抱卵を確認 (10日夕刻以降に産卵と推定) |
No.91(2009年 オス) No.154(2009年 メス) | 4月2日 スギで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月8日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) 4月15日 スギで再営巣・抱卵を確認 |
No.11(2006年 オス) | 4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) |
No.138(2011年 オス) | 4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 (15日夕刻以降に産卵と推定) |
(2)営巣中(抱卵未確認) | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
No.72(2009年 オス) No.A04(2013年 メス) | 4月3日 クロマツで営巣を確認 |
No.50(2007年 オス) No.157(2010年 メス) | 4月17日 スギで営巣を確認 |
(3)営巣・抱卵中止 | |
番号・生まれ年・性別 | 状 況 |
足環なし(オス) No.158(2010年 メス) | 3月24 日 クロマツで営巣を確認 3月27日 営巣中止を確認 |
No.105(2010年 オス) No.157(2010年 メス) | 3月22日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 3月27日 抱卵中止を確認 |
No.50 (2007年 オス) No.114(2011年 メス) | 3月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月3日 抱卵中止を確認 |
No.107(2010年 オス) No.95(2010年 メス) | 3月26日 スギで営巣を確認 3月29日 抱卵確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月6日 抱卵中止を確認 |
No.91(2009年 オス) No.154(2009年 メス) | 4月2日 スギで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月8日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |
足環なし(オス) No.A03(2013年 メス) | 3月27日 クロマツで営巣を確認 4月10日 抱卵確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) 4月12日 抱卵中止を確認 |
No.137(2011年 オス) No.194(2012年 メス) | 3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
足環なし(オス) No.127(2010年 メス) | 3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
足環なし(オス) No.96(2010年 メス) | 3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月13日 抱卵中止を確認 |
No.85(2009年 オス) No.93(2009年 メス) | 4月14日 スギで営巣・抱卵を確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) 4月16日 抱卵中止を確認 |
No.136(2009年 オス) No.196(2012年 メス) | 4月7日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月17日 抱卵中止を確認 |
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いいたします。