野生下トキの営巣状況(4/10)

平成27年4月10日(金)環境省発表の野生下トキの営巣・抱卵状況です。

営巣・抱卵中のペア(平成27年4月10日時点)

  ペア数
営巣が確認されているペア 19 組
上記、営巣ペアの内、抱卵が確認されているペア 16 組


1 抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A03(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月10日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアのうち、足環なし個体は2012年又は2014年の繁殖期に野生下で誕生した個体で、No.A03は2013年の繁殖期に、No.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体で、3月27日に営巣を確認していた。4月10日午前6時3分頃から8時2分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上にNo.A03(メス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。前日の午前中に環境省職員が観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、9日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

2 営巣・抱卵を確認したペア
(1)個体番号:No.A02(2013生まれ、オス) 及び No.A01(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月10日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアのうち、No.A02は2013年の繁殖期にNo.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体で、No.A01は2013年の繁殖期に、No.33(2008年生まれ、オス)とNo.38(2007年生まれ、メス)のペアから誕生した個体である。3月中旬に擬交尾する様子が確認され、3月下旬にかけて2羽で行動する様子が観察されていたが、その後、このペアと特定される繁殖行動はほとんど確認されていなかった。前日の午前及び午後に環境省職員が観察を行ったところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込む様子が確認されたが、個体の特定はできなかった。4月10日午前5時14分頃から7時18分頃にかけて、環境省職員が同巣を再度観察したところ、2羽で擬交尾する様子が見られ巣上にNo.A01(メス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

3 営巣を確認したペア
(1)個体番号:No.146(2011年生まれ、オス) 及び No.163(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月8日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月下旬から4月上旬にかけて、同ペアとみられる個体が枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月8日午前7時9分頃に、環境省職員が観察したところ、スギの樹上において2羽で巣造りする様子が見られ、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

4 抱卵中止を確認したペア
(1)個体番号::No.91(2009生まれ、オス) 及び No.154(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月8日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月6日に抱卵を確認していたペアである。4月8日午前6時30分頃から9時39分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣の様子を確認したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。4月9日に巣の下を踏査したところ、卵の殻1個分を確認し回収した。なお、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

 (1)営巣・抱卵中
番号・生まれ年・性別 状 況
No.86(2009年 オス)
No.134(2011年 メス)
3月15日 スギで営巣を確認
3月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.201(2012年 メス)
3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
No.68(2010年 オス)
No.78(2010年 メス)
3月23日 スギで営巣を確認
3月26日 抱卵確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)
No.67(2009年 オス)
No.80(2010年 メス)
3月23日 スギで営巣を確認
3月26日 抱卵確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)
No.33(2008年 オス)
No.38(2007年 メス)
3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
No.71(2009年 オス)
No.79(2010年 メス)
3月24日 スダジイで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
No.137(2011年 オス)
No.194(2012年 メス)
3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
No.98(2010年 オス)
No.156(2011年 メス)
3月23日 スギで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.127(2010年 メス)
3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.96(2010年 メス)
3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
No.08(2006年 オス)
No.25(2008年 メス)
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
No.74(2009年 オス)
足環なし(メス)
3月26日 スギで営巣を確認
4月1日 抱卵確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
No.92(2009年 オス)
No.200(2012年 メス)
4月2日 スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
No.136(2009年 オス)
No.196(2012年 メス)
4月2日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(5日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.A03(2013年 メス)
3月27日 クロマツで営巣を確認
4月10日 抱卵確認
(9日夕刻以降に産卵と推定)
No.A02(2013年 オス)
No.A01(2013年 メス)
4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)

 

 (2)営巣中(抱卵未確認)
番号・生まれ年・性別 状 況
No.177(2012年 オス)
No.199(2012年 メス)
4月3日 サクラで営巣を確認
No.72(2009年 オス)
No.A04(2013年 メス)
4月3日 クロマツで営巣を確認
No.146(2011年 オス)
No.163(2011年 メス)
4月8日 スギで営巣を確認
 (3)営巣・抱卵中止
番号・生まれ年・性別  状 況
足環なし(オス)
No.158(2010年 メス)
3月24 日 クロマツで営巣を確認
3月27日 営巣中止を確認
No.105(2010年 オス)
No.157(2010年 メス)
3月22日 スギで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
3月27日 抱卵中止を確認
No.107(2010年 オス)
No.95(2010年 メス)
3月26日 スギで営巣を確認
3月29日 抱卵確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
4月6日 抱卵中止を確認
No.91(2009年 オス)
No.154(2009年 メス)
4月2日 スギで営巣を確認
4月6日 抱卵確認
(5日夕刻以降に産卵と推定)
4月8日 抱卵中止を確認
(卵の殻1個分を回収)

 【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いいたします。