野生下トキの営巣状況(3/31)

平成27年3月31日発表の営巣・抱卵状況です。

営巣・抱卵中のペア(平成27年3月31日時点)

ペア数
営巣が確認されているペア 15 組
上記、営巣ペアの内、抱卵が確認されているペア 13 組


1 抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:No.107(2010年生まれ、オス) 及び No.95(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年3月29日(日)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、飼育番号No.80(2004年生まれ、オス)とNo.36(2002年生まれ、 メス)の子できょうだい(同年同巣の兄妹)にあたり、3月26日に営巣を確認していた。3月29日午前8時31分頃に、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。3月27日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、それ以降に産卵した可能性が高いと思われる。

2 営巣・抱卵を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.127(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年3月28日(土)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、2月上旬から擬交尾をする様子が観察され、2月下旬からは枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。3月28日午前7時57分頃に、モニタリングチーム(市民ボランティア)が林内を観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。前日の午前中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、27日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.96(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年3月30日(月)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月上旬から2羽で行動する様子が観察され、下旬にかけて同ペアとみられる個体が2羽で巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。3月30日午前9時17分頃に、環境省職員が観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。前日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、29日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅲ)
(1)個体番号:No.08(2006年生まれ、オス) 及び No.25(2008年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年3月30日(月)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、2010年の繁殖期から継続的にペアを形成し、昨年の繁殖期に3羽を巣立たせたペアである。2月下旬から同ペアとみられる個体が擬交尾をする様子が観察され、3月下旬にかけて昨年の繁殖期に営巣した場所付近で巣造りする様子が観察されていた。3月30日午前10時16分頃に、環境省職員が観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。前日の午前中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、29日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

 (1)営巣・抱卵中
番号・生まれ年・性別
No.86(2009年 オス)
No.134(2011年 メス)

3月15日 スギで営巣を確認
3月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし(オス)
No.201(2012年 メス)
3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
No.50 (2007年 オス)
No.114(2011年 メス)
3月25日 スギで営巣・抱卵を確認
(22日夕刻以降に産卵と推定)
No.68(2010年 オス)
No.78(2010年 メス)
3月23日 スギで営巣を確認
3月26日 抱卵確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)
No.67(2009年 オス)
No.80(2010年 メス)
3月23日 スギで営巣を確認
3月26日 抱卵確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)
No.33(2008年 オス)
No.38(2007年 メス)
3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
No.71(2009年 オス)
No.79(2010年 メス)
3月24日 スダジイで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
No.137(2011年 オス)
No.194(2012年 メス)
3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
No.98(2010年 オス)
No.156(2011年 メス)
3月23日 スギで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.127(2010年 メス)
3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
No.107(2010年 オス)
No.95(2010年 メス)
3月26日 スギで営巣を確認
3月29日 抱卵確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.96(2010年 メス)
3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
No.08(2006年 オス)
No.25(2008年 メス)
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)

 

 (2)営巣中(抱卵未確認)
番号・生まれ年・性別
No.74(2009年 オス)
足環なし(メス)
3月15日 スギで営巣を確認
3月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)
足環なし(オス)
No.A03(2013年 メス)
3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
 (3)営巣・抱卵中止
番号・生まれ年・性別
足環なし(オス)
No.158(2010年 メス)
3月24 日 クロマツで営巣を確認
3月27日 営巣中止を確認
No.105(2010年 オス)
No.157(2010年 メス)
3月22日 スギで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
3月27日 抱卵中止を確認

 【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。