野生下トキ 8組目のヒナ誕生及び営巣状況

平成26年5月8日、環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、4月10日に営巣・抱卵を確認していた野生下のトキのペアにおいて、ヒナが誕生しているのを確認しました。当ペアも含めて野生下のトキのヒナ誕生は、今期8組目となります。また、本日時点での野生下のトキの営巣状況について、併せてお知らせします。営巣が確認されているペアは21組、そのうち8組で育雛、12組で抱卵が確認されています。

1. 給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペア

(1)個体番号:No.72(2009年生まれ、オス)及び No.153(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月8日(木)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

この2羽は、飼育番号No.80(2004年生まれ オス)とNo.36(2002年生まれ メス)の子できょうだい(弟姉)にあたるペアである。
このペアは、4月10日にクロマツの樹上にて営巣・抱卵する様子が確認されていた。5月8日午前5時50分頃、営巣の様子を撮影したところ、No.153がヒナに餌を与える様子を確認したことから、ヒナが誕生しているものと判断した。ヒナの姿は確認されておらず、ふ化日は不明である。

(5)ヒナの対応:

きょうだいペアから生まれるヒナについては、昨年と同様に、孵化確認後、飼育下で育てることを目標としているが、今回については、同林内における他の営巣ペアとは巣間距離が20~30メートルと接近しており、捕獲作業の実施が他のペアの繁殖行動に影響を及ぼすおそれが大きいと判断されることから、捕獲は見送ることとする。ただし、他のペアが営巣を中止し、再営巣も行われない状況にあっては、捕獲を検討することとする。

 
ヒナに給餌するNo.153(メス)

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。