野生下トキの営巣状況(4月11日発表)

平成26年4月11日発表の営巣状況です。営巣が確認されているペアは19組、そのうち17組で抱卵が確認されています。

1 営巣・抱卵を開始したペア

(1)個体番号:No.72(2009年生まれ、オス)及び No.153(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年4月10日(木)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

この2羽は、飼育番号No.80(2004年生まれ オス)とNo.36(2002年生まれ メス)の子できょうだい(弟姉)にあたるペアである。
3月下旬頃から2羽で枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していたところ、4月10日午前6時30分頃に、クロマツの樹上に巣が造られ、巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を開始したものと判断した。
このペアは、4月4日に2羽で林外に出る様子が観察されており、それ以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(1)個体番号:足環なし(2012年生まれ、オス) 及び No.150(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年4月11日(金)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月に入ってから2羽で巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していたところ、4月11日午前5時10分頃に、巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートルの高さに造られている。

2 抱卵を確認したペア

(1)個体番号:No.67(2009年生まれ、オス) 及び No.80(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年4月10日(木)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、2012年と2013年の繁殖期に各3羽を巣立たせたペアである。
4月7日に営巣を確認し、注意して観察を継続していたところ、4月10日午前11時30分頃に、巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートルの高さに造られている。

野生下トキ
巣を整えた後、抱卵する個体(No.67 No.80ペア個体不明)

3 営巣を確認したペア

(1)個体番号:No.139(2011年生まれ、オス) 及び No.65(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年4月10日(木)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月に入ってから枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していたところ、4月11日午前5時30分頃から6時30分頃にかけて2羽で巣造りする様子が観察され、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。
営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートルの高さに造られている。

4 抱卵中止を確認したペア

(1)個体番号:

No.23(2008年生まれ、オス) 及び No.26(2008年生まれ、メス)

(2)確認日:平成26年4月11日(金)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、3月29日に抱卵開始を確認したペアである。
4月11日午前6時20分頃から10時40分頃にかけて、巣が空いた状態となり、2羽が林外で探餌する様子が観察されたことから、抱卵を中止したものと判断した。
また、巣の観察時に巣の下を踏査したところ、卵の殻2個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。