野生下トキ営巣状況(3月11日発表)

平成26年3月11日(火)環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、野生下のトキの新たな営巣が確認されました。現在、営巣が確認されているトキのペアは、11日の確認分を含めて2組です。

1 営巣を開始したペアについて

(1)個体番号 : No.81(2007年生まれ、オス) 及び No.66(2009年生まれ、メス)

 No.81:第5回放鳥個体(2011年9月27日飛翔)
 No.66:第4回放鳥個体(2011年3月11日飛翔)

(2)確認日 : 平成26年3月11日(火)

(3)場 所 : 新潟県佐渡市

(4)状 況 : この2羽は、飼育番号No.34(2001年生まれ オス)とMo.58(2003年生まれ メス)の子できょうだい(兄妹)にあたり、昨年の繁殖期において、生まれたヒナ4羽を収容したペアである。2月1日(土)に2羽での行動が観察され、2月13日(木)から擬交尾や枝を運ぶ様子が確認されていた。2月24日(月)以降は巣づくりをする様子が見られたため、注意して観察を継続していたところ、本日3月11日(火)午前7時頃に、コナラの木に巣材が積み重なっている状況が確認されたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上からおよそ十数m程度の高さに造られている。

野生下トキ
営巣するNo.81(オス)とNo.66(メス)

2 きょうだいペアへの対応

 きょうだいペアから生まれるヒナについては、昨年と同様に、孵化確認後、飼育下で育てることを目標とし捕獲を試みることとします。ただし、観察が困難でヒナの日齢の把握が難しい場合や営巣木への登攀が困難な場合など、捕獲条件によっては実施を見送る場合もあります。

 【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。