放鳥トキの営巣状況等(5月31日発表)
平成25年5月31日、環境省発表の営巣・抱卵・育雛状況です。本日現在、2組の巣で巣立ちを終え、1組の巣では巣立ち前のヒナが行方不明となっています。そのほかに、放卵が確認されているトキが4組確認されています。
1.ヒナ等の状況
2羽が新たに巣立ち、1羽が行方不明になっていることを確認した。 これにより、これまで5つのペアから14羽のヒナのふ化が確認され、そのうち4羽を飼育下に収容(生存)、4羽が巣立ち、5羽が死亡、1羽が行方不明となった。巣立った幼鳥はまだ営巣林の外では確認されていない。
※環境省では、トキの巣立ちについて、飼育下で適用している定義と同じく「両脚を巣の外に完全に出すこと」としている。最初のうちは一度巣の外に出ても再び巣に戻ることが多いが、徐々に巣を離れる時間が長くなり、他の木に飛び移ったり、地上に降りたり、林外を飛翔したりという行動が見られることが多い。
1)巣立ちが確認されたヒナ:No.A02及びNo.A04
No.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のヒナ
確認日時 | A02 平成25年5月30日(木)10時48分 |
A04 平成25年5月31日(金)4時49分 | |
経 過 |
このヒナの巣では、4月23日にヒナへの給餌が確認され、5月15日にヒナ3羽に足環を装着し、5月27日には1羽(A03)の巣立ちが確認されていた。 |

2)行方不明のヒナ:No.A06
No.23(2008年生まれ、オス)とNo.26(2008年生まれ、メス)のヒナ
確認日時 | 平成25年5月29日(水)5時30分 |
経 過 |
このヒナの巣では、4月30日以降ヒナが確認され、5月17日にヒナ2羽に足羽を装着し、5月23日には1羽(A05)がカラスに襲われ死亡していた。 |
2.巣の放棄を確認したペア
No.74(2009年生まれ、オス)及び No.78(2010年生まれ、メス)
確認日 | 平成25年5月31日(金) |
場 所 | 新潟県佐渡市 |
経 過 |
このペアは、5月16日に営巣が、5月27日に抱卵が確認されていたペアで、5月31日午前5時50分頃にモニタリングチーム(ボランティアの市民)が観察したところ、巣を空けた状態になっていたことから、巣を放棄したものと判断した。 |
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。