放鳥トキのヒナ1羽死亡確認

平成25年5月24日(金)環境省からの発表で、今年生まれた放鳥トキのヒナ1羽の死亡が確認されました。

以下、環境省からの発表です。

1.発見日時:平成25年5月24日(金) 12時16分
  ※林内で環境省職員が発見し、12時45分に佐渡トキ保護センター獣医師とともに回収

2.死亡個体:No.A05 メス 回収された足環の番号により識別
  5月17日に足環を装着 足環装着時体重1,134g

3.死体の発見状況
  5月17日にヒナ2羽に足環を装着したNo.23、No.26の巣において、5月24日朝の環境省職員の観察で、確実に巣にいると判断できるヒナが1羽のみだったことから、5月24日昼に環境省職員が巣の周辺の状況確認を行うとともに、5月23日に新潟大学が無人撮影したビデオカメラの映像の再生確認を行った。その結果、巣の真下(営巣木の根元から30cm)の地上でトキのヒナ1羽の死体が発見された。ビデオ再生の結果、5月23日14時33分からカラスが巣に飛来し、ヒナを攻撃しようとする様子が確認された。ヒナ2羽はくちばしを振り抵抗していたものの、14時55分には1羽が動かなくなり、その後、カラスに捕食されたものと考えられる。残る1羽のヒナについては、24日昼の時点で巣の上で親鳥から餌をもらう様子等が確認されており、負傷している様子や衰弱している様子は見られない。

 <ビデオによる確認内容の詳細>
14:33 親鳥が巣にいない状態で、カラス1羽が巣の近くの枝に飛来
14:35 ヒナ2羽がカラスに対してくちばしを突き出し、威嚇する
14:38 カラスが巣に飛来
14:41 巣にカラス2羽を確認、ヒナ2羽は威嚇するも、1羽が激しく突かれる
14:55 ヒナ1羽が動かなくなる
14:59 カラスがヒナの羽根をむしり、ヒナの肉をつついている
15:07 カラスが飛び去る
15:11 親鳥(メス、No.26)が巣に戻る
以降、親鳥2羽がそれぞれ巣に飛来し、残る1羽に給餌する様子が確認された。
撮影を終了する17時39分まで、死亡したヒナ1羽が巣の下に落下する様子は確認できなかった。

4.回収したヒナの状態
  右脚及び内臓のほとんどが失われた状態で営巣木の真下から発見された。
  左脚に装着した足環(ナンバーリングA05 と 金属足環)が回収された。
  鳥インフルエンザ簡易検査結果:陰性

5.死亡原因
  映像から、死亡の原因はカラスの襲撃によるものと判断した。ヒナには、死亡後に巣から落下し、タヌキに内臓を食べられた際に生じたと思われる骨の損傷等も見られた。