放鳥トキの営巣状況(5月10日発表)
平成25年5月10日、環境省発表の営巣・抱卵・育雛状況です。新たに2組のペアで巣の放棄が確認されました。本日現在、営巣が確認されているトキは8組、そのうち3組で育雛、5組で抱卵が確認されています。
1.巣の放棄を確認したペア
1)No.125(2009年生まれ、オス)及びNo.130(2011年生まれ、メス)
確認日 | 平成25年5月8日(水) |
場 所 | 新潟県佐渡市 |
経 過 |
このペアは、3月28日に営巣、4月9日に抱卵が確認されたペアで、5月8日午前8時30分頃にモニタリングチーム(請負事業者職員)が観察したところ、既に巣を空けている状態が確認され、巣を放棄したものと判断した。5月10日に林内を踏査し、卵の殻1個分を回収した。 |
2)No.11(2006年生まれ、オス)及びNo.03(2005年生まれ、メス)
確認日 | 平成25年5月9日(木) |
場 所 | 新潟県佐渡市 |
経 過 |
このペアは、3月31日に営巣・抱卵が確認されたペアで、5月9日15時頃にモニタリングチーム(ボランティアの市民)が観察したところ、2羽が水田で餌を探す様子が確認され、巣を放棄したものと判断した。 |
2.ヒナへの足環の装着について
現在ヒナが確認されている巣において、ヒナを一時捕獲し、足環の装着作業等を行う。
作業の所要時間は1時間程度を予定している。
3.その他
ヒナの羽数の推定について(No.33及びNo.38)
No.33(2008年生まれ、オス)、No.38(2007年生まれ、メス)のペアについては、5月2日12時11分に、ヒナが3羽いることをモニタリングチーム(新潟大学永田尚志准教授)が確認したが、5月5日5時10分から20分にかけてヒナ1羽の死体が確認され、同日9時20分にはヒナ2羽の姿が確認された(録画映像で8日に確認)が、その後ヒナの姿が1羽しか確認されない状態が続いており、現在巣にいるヒナは1羽となっている可能性が高いと判断した。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。