放鳥トキの営巣状況(5月2日発表)

 平成25年5月2日、環境省発表の営巣・抱卵・育雛状況です。新たに2組の営巣・放卵が確認されました。本日現在、営巣が確認されているトキは12組、そのうち3組で育雛、9組で抱卵が確認されています。

1.営巣・抱卵を確認したペア
 1) No.110(2010年生まれ、オス)及びNo.120(2010年生まれ、メス)

 確認日平成25年5月1日(水)
 場 所新潟県佐渡市
 経 過

このペアは、雌雄ともに初めてのペア形成となる。3月中から2羽で行動するのが確認されており、4月中旬頃から平野部の雑木林に枝を運ぶ様子が確認されていた。
5月1日12時01分にモニタリングチーム(請負事業者職員)が確認したところ、林にメスが入り、4分後にオスと交代する様子が確認された。
このため、巣そのものは確認できないものの、既に営巣し抱卵を開始しているものと判断した。
これまでの観察経過から、4月24日の夕刻以降に産卵した可能性が高い。

 2) No.68(2009年生まれ、オス)及びNo.78(2010年生まれ、メス)

 確認日平成25年5月2日(木)
 場 所新潟県佐渡市
 経 過

 このペアは、3月28日に営巣・抱卵を確認し、4月25日には抱卵の中止を確認していたペアで、5月2日にモニタリングチーム(請負事業者職員)が確認したところ、7時頃に、最初に営巣した杉林に作られた巣に1羽(雌雄不明)が座り込んでいるのが確認され、再び抱卵を開始しているのが確認された。
当初営巣した巣と同じ巣である可能性もあるが、現時点では判断が難しい。
これまでの観察経過から、4月28日の夕刻以降に産卵した可能性が高い。

2.その他の状況

(1) ヒナの確認(No.67及びNo.80)
   No.67(2009年生まれ、オス)、No.80(2010年生まれ、メス)のペアについて、5月2日午前5時30分の映像でヒナ3羽の姿を確認した。

(2) 卵の回収について(No.48及びNo.79)
   4月29日に抱卵中止を確認したNo.48(2007年生まれ、オス)、No.79(2010年生まれ、メス)のペアについて、巣の下を5月1日に踏査し、卵の殻2個分を回収した。有精卵であったと思われる痕跡等は確認できなかった。

【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。