今年2組目ヒナが確認された巣の状況

平成25年4月18日、環境省からの発表で、今年2組目のヒナが確認されたペア(USTREAM営巣ライブ配信)を行っているトキのペアにおいて、本日、親鳥による給餌等が確認されました。また、4月16日頃より不明の親鳥(No.96(2010年生まれ、メス)も確認されました。以下、環境省からの発表です。 

ヒナにエサを与える親鳥オスNo.74

1.給餌等を確認したペア
 No.74(2009年生まれ、オス)及び No.96(2010年生まれ、メス)

2.確認の経過
3月14日 スダジイで営巣を確認
3月17日 樹上に小型カメラを設置・1個目の産卵を確認
(以下、確認は全て小型カメラの映像による)
3月19日 2個目の産卵を確認
3月23日 3個目の産卵を確認
4月15日 オスがヒナ状の物体を巣の外に捨てる様子を確認
4月16日 終日オスが抱卵を継続中(巣の中は2卵)
4月17日 12時41分、ふ化確認
4月18日 7時25分から7時50分、11時33分から12時17分、15時37分から16時16分まで巣を空ける。12時58分、13時07分、14時15分に親鳥による給餌を確認(巣の中はヒナ1羽・卵1個)      9時25分から10時50分頃まで、メスが巣から約8km離れた海岸部の松林で、別のオス(No.72:2009年生まれ、オス)と擬交尾を行ったり、枝を運んで巣を造ろうとしている状況が確認された。

3.今後の対応方針
 メスについては、他のオス(No.72)とこのまま新しいペアを形成し、再営巣に至る可能性が高い。一方で、ヒナは現時点でオスから複数回の給餌を受けていることが確認されている。このため、当面はこのまま観察を継続していくこととしている。

 (参考)
 ふ化してから2~3日程度は、ヒナは親鳥から給餌を受けなくても生存が可能である。また、飼育下では、オス1羽でヒナを巣立ちまで育てたケースが確認されている(自然下では親鳥1羽のみで巣立ちまでヒナを育てた例はこれまで確認されていない)。

【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。