放鳥トキの営巣状況(4月16日発表)

平成25年4月16日、環境省発表の営巣・抱卵状況です。本日現在、営巣が確認されているトキは13組、そのうち1組で育雛、11組で抱卵が確認されています。

1.営巣を確認したペア
 No.50(2007年生まれ、オス)及びNo.21(2006年生まれ、メス)

 確認日平成25年4月15日(月)
 場 所新潟県佐渡市
 経 過

このペアは、3月23日に営巣・抱卵を確認していたペアで、4月4日に抱卵の中止を確認していた。
4月15日にモニタリングチーム(請負事業者職員)が観察したところ、午前6時13分に最初に営巣した木から約10m離れた杉の木に新たに巣を造っている様子が確認できたため、この場所で再営巣を開始したものと判断した。抱卵は確認されていない。

巣材を整えるオスNo.50

2.抱卵を確認したペア
 No.88(2009年生まれ、オス)及びNo.115(2011年生まれ、メス)

 確認日 平成25年4月14日(日)
 場 所 新潟県佐渡市
 経 過

このペアは、4月1日に営巣を確認(抱卵は未確認)したペアで、4月10日に最初の巣を放棄していることが確認され、4月12日に斜面の広葉樹林内のコナラで再営巣しているのを確認していた。
4月14日17時頃にモニタリングチーム(鳥獣保護区管理員)が観察したところ、オスが巣に座り込んでおり、17時30分頃には転卵を行う様子も確認された(卵1個を目視確認)。

同日の朝の観察時には2羽ともに長時間巣を空ける様子も観察されており、14日に産卵した可能性が高いと判断した。

3.営巣・抱卵を確認したペア
 No.98(2010年生まれ、オス)及びNo.114(2011年生まれ、メス)※兄弟ペア

 確認日 平成25年4月16日(火)
 場 所 新潟県佐渡市
 経 過

このペアは、3月27日に抱卵を確認し、4月7日に巣を放棄していることが確認されていた。
4月16日午前10時22分にモニタリングチーム(請負事業者職員)が確認したところ、最初に営巣した巣に1羽(雌と推定)が座り込んでいる様子が確認され、同じ巣で再び抱卵を開始しているものと判断した
巣を踏査した4月8日後に産卵したと思われるが、産卵時期の絞り込みは困難である。

4.巣の放棄を確認したペア
 1.No.76(2010年生まれ、オス)及びNo.95(2010年生まれ、メス)※兄弟ペア

 確認日平成25年4月12日(金)
 場 所新潟県佐渡市
 経 過

このペアは、4月3日に営巣を確認したペアで、4月12日14時10分頃、モニタリングチーム(新潟大学職員)が観察を行ったところ、4月1日に抱卵中止を確認していた別のペア(No.107及びNo.134)が巣を整えており、No.76及びNo.95のペアが巣を空けているのが確認された。その後13日から15日にかけて、どの個体も巣にいないことが確認されたため、12日の時点で巣を放棄したものと判断した。 
近くで他のペアが営巣しているため、巣の下の踏査等はおこなっておらず、巣の放棄までに産卵をしたかについては不明である。

 2.No.71(2009年生まれ、オス)及びNo.69(2009年生まれ、メス)

 確認日平成25年4月14日(日)
 場 所新潟県佐渡市
 経 過

このペアは、4月9日に営巣を確認したペアで、4月14日にモニタリングチーム(ボランティアの市民)が観察を行ったところ、巣から約500m離れた地点で2羽が木に止まる様子が確認された。4月16日朝にも巣から離れた水田でこの2羽と若鳥1羽の3羽が同時に確認された。
このため、巣があると思われる場所を16日6時45分から踏査したところ、地上で卵の殻1個分を回収した。このため、14日の時点で巣を放棄したものと判断した。 

【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。