放鳥トキ 今期最初の営巣確認

 平成25年2月28日、環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、放鳥したトキのペア1組が営巣を開始しました。今年最初のトキの営巣確認となります。
以下、環境省からの発表です。

1 営巣を開始したペアについて
(1)個体番号 : No.81(2007年生まれ、オス)及び No.66(2009年生まれ、メス)

No.81:第5回放鳥(2011年9月)、2012年はペアを形成しなかった。
No.66:第4回放鳥(2011年3月)、2012年の繁殖期は、No.76(2010年生まれ、第4回放鳥)と営巣し、抱卵を中止した後、No.74 (2009年生まれ、第4回放鳥)と再営巣・抱卵したが、孵化には至らなかった。

(2)確認日 : 平成25年2月28日(木)

(3)場 所 : 新潟県佐渡市

(4)状 況
 この2羽は、2月3日(日)から特定の林を中心に行動するのが確認されていた。2月14日(木)には擬交尾が観察され、2月21日(木)には枝を運ぶのが確認されたため、注意して観察を継続していたところ、本日2月28日(木)午前6時頃に、枯死した落葉広葉樹に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。
営巣場所は、周辺水田に隣接する斜面の雑木林で、巣は十数m程度の高さの位置に造られている。

2 兄弟ペアの初確認について
 今回営巣が確認された個体は、ともに飼育番号No.34(2001年生まれ、オス)とNo.58(2003年生まれ、メス)のペア(Kペア)の子であり、兄弟にあたる。兄弟のペアからは、遺伝的な要因からくる問題を有する個体が生まれる場合や、将来的に個体群の遺伝的多様性を低下させ、子孫に同様の問題をもたらすおそれが相対的に高くなる。このため、今後の営巣行動の進捗や専門家の意見等も踏まえて、人為的な繁殖行動の抑制等の何らかの対応をとる必要があるかどうかについては、継続的に検討を行っていくこととする。

3 その他の個体の状況
 現在、佐渡島内では野生下で誕生した若鳥8羽を含めて60羽以上のトキが確認されている。昨年営巣が確認されたのべ18組の32羽(オス16羽、メス16羽)については、そのうち29羽(オス16羽、メス13羽)が島内で確認されている。
現在15組程度のトキが、特定のエリアを中心に雌雄2羽で行動する様子が観察されており、今後、順次、営巣ペアが確認される可能性が高い。