新たに2組の放鳥トキの営巣・抱卵が確認されました。
平成24年3月28日(水)環境省からの発表で、これまで営巣が確認されていなかったペア1組が営巣・抱卵を開始していることを確認しました。また、同市の別の地域で、新たな営巣を確認しました。
現時点で営巣が確認されているペアは7組、抱卵が確認されているペアはそのうち4組となりました。
以下、環境省からの発表です。
放鳥トキの営巣・抱卵状況について
◇新たに営巣・抱卵が確認されたペア
1.営巣ペア:(2006年生まれ、オス)及び(2008年生まれ、メス)

確認日:平成24年3月28日(水)
営巣場所:新潟県佐渡市
確認の経過:
同ペアは、2010年、2011年と2年続けて営巣・抱卵が確認されていたペアで、本年2月21日(火)以降確認できない状態が続いていたが、3月18日、23日、25日にオスが、同22日、25日、27日にメスがそれぞれ確認された。
3月28日(水)の10時00分にモニタリングチーム(請負事業者職員)が、山中の杉林に隣接する広葉樹林の落葉広葉樹(樹種不明)の枝に巣があり、オスが座り込んで抱卵しているのを確認した。さらに、オスが立ち上がった際に少なくとも巣の中に卵2つがあることを確認した。
2.営巣ペア:(2009年生まれ、オス)及び(2007年生まれ、メス)

確認日:平成24年3月27日(火)
営巣場所:新潟県佐渡市
確認の経過:
(2007年生まれ、メス)は、昨年は(2008年生まれ、オス)とペアを形成し、2度にわたって巣を作り、抱卵した。
今年の繁殖期には、昨年ペアを形成した2羽のほかに第4回放鳥(2011年3月)個体の(2009年生まれ、オス)「以下、第4回放鳥オス」も同じ松林を利用していた。(2007年生まれ、メス)は(2008年生まれ、オス)とも第4回放鳥オスとも2羽で餌を探すのが観察されている。
3月27日(火)の7時頃に、モニタリングチーム(新潟大学職員)が、トキが普段利用している松林にビデオカメラを設置し、無人撮影を行ったところ、第4回放鳥オスと(2007年生まれ、メス)が、昨年(2008年生まれ、オス)と(2007年生まれ、メス)が2度目に巣を作った木と同じクロマツの木で巣造りを行うのを確認した。これまでも第4回放鳥オスが枝を運ぶ様子は頻繁に観察されており、巣材がある程度積み上がっていることも確認できたため、この2羽が営巣を開始したものと判断した。
ただし、営巣を確認した3月27日に、(2007年生まれ、メス)が巣の上で昨年のペアの相手である(2008年生まれ、オス)と交尾をする様子が確認されており、(2008年生まれ、オス)も引き続き営巣林内を中心に行動していることから、今後も第4回放鳥オスと(2007年生まれ、メス)の2羽による営巣行動が継続されるかについては明らかではない。なお、第4回放鳥オスと(2007年生まれ、メス)の交尾は現在のところ観察されていない。
【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。