営巣中のトキペア2組の抱卵が確認されました。
平成24年3月18日(日)環境省からの発表で、佐渡市において、営巣が確認されていたたトキのペア2組がともに抱卵を開始していることが確認されました。
また、そのうち1組については、隣接する木に小型カメラを設置し、営巣状況の録画を開始しました。
以下、環境省からの発表です。
1.3月12日営巣開始ペア(2009年生まれ、オス)及び(2009年生まれ、メス)

(1)抱卵開始:平成24年3月17日(土)
(2)営巣場所:新潟県佐渡市
(3)経過:
3月12日(月):平野部の雑木林のコナラの高さ十数mの枝の上で営巣を開始
3月17日(土):14時30分頃以降、1羽が巣に長時間座り込んでいるのをモニタリングチームの環境省職員等が確認した。午前中には長時間座り込む様子は観察されなかったため、16日から17日にかけて産卵した可能性が高く、17日午後には本格的に抱卵を開始したものと判断した。
3月18日(日):抱卵を継続しているのを確認した。また、午前10時頃、巣の上で交尾するのを確認した。
2.3月16日営巣開始ペア(2009年生まれ、オス)及び(2010年生まれ、メス)

(1)抱卵開始:平成24年3月18日(日)
(2)営巣場所:新潟県佐渡市
(3)経過:
3月16日(金):平野部の杉林で高さ十数mのところで営巣を開始しているのを確認、その際、巣の下で卵1個分の殻を回収した。
3月17日(土):2羽が離れた水田で同時に餌を探しているのを確認している間に環境省職員と作業員が林内に入り、営巣木から3.8m離れた隣の木の枝に小型カメラの設置作業を行った(13時30分設置完了)。作業終盤に2羽が巣のある林に飛来し、一時離れた場所まで飛び去ったが、16時53分に2羽が同時に巣に戻るのが確認された。
3月18日(日):朝から1羽が巣に座り込んでいるのを小型カメラのモニターにより、環境省職員が確認した。また、巣の横で交尾する様子も観察された。17日夕方に産卵した可能性が高く、18日には抱卵を開始しているものと判断した。
(4)小型カメラの設置状況と観察の方法
小型カメラはトキの営巣木の隣の木に設置した。巣がカメラ映像の画角の下端の位置にあり、また、木の枝の後ろになっているため、映像から巣そのもの確認できないが、巣の上で行動する親鳥の様子や親鳥の巣の周辺への出入り等の様子が確認できる。小型カメラに映る映像は、巣から100m離れた場所に設置したテント内モニターと録画機器までケーブルにより送信され、常時録画されている。録画映像は、適宣モニタリングチームが回収する。小型カメラによる観察によって繁殖の成否に関係すると考えられる交尾、巣への出入り、抱卵の交代などを詳細に把握することを目指している。
3.今期ペアを形成する可能性があるその他の個体の状況
現在、上記のほかにも、多くのトキが特定のエリアを中心に雄雌で行動する様子が観察されており、順次、営巣確認ペアが増えると考えられる。