猛禽類に襲撃された放鳥トキ1羽が保護されました。

平成23年1月9日(月)環境省からの発表で、同日、午前6時40分頃、ボランティアの市民が放鳥トキのモニタリングを行っている際に、佐渡市新穂地区のねぐらからトキが一斉に飛翔するのを確認した。その際、1羽がねぐらとなっている森林から、隣接する水田にきりもみ状に落下するのを目撃した。
近くに猛禽類が1羽おり、個体が負傷したことから緊急捕獲し、現場に急行したトキ保護センターの獣医が7時10分頃に野生復帰ステーションに搬入した。トキを襲撃した猛禽類の種は不明だが、トキよりやや小さいサイズ(オオタカ程度の大きさ)であった。
放鳥したトキが保護された初めてのケースとなります。

■個体の処置について
診察、X線検査の結果、致命傷は認められないが、胸部に裂傷、頭部に裂傷・打撲・内出血、頬骨の骨折、右眼球の損傷が認められた。胸部の裂傷の縫合、抗生物質の投与(注射)、採血を行い、野生復帰ステーションの収容ケージに収容した。インフルエンザ簡易検査の結果は陰性。
当面、野生復帰ステーションで経過を観察する予定です。

■保護した個体について
当該個体は、2009年9月の第2回放鳥で放鳥した2005年生まれのメス(7歳、No.18)。2010年4月に佐渡市から柏崎市を経由して新潟市に移動し、新潟市に長く滞在した後、2011年3月に新潟市から佐渡に戻り、新穂地区の群れとともに行動していた。
これまでこの個体がペアを形成したことはありません。