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地域社会モニタリングの役割と機能

佐渡島に於けるトキの野生復帰プロジェクトは、「共生と循環の地域づくりモデル事業(佐渡地域)」(平成12年度環境省) よりスタートしたプロジェクトである。このプロジェクトでは、自然環境の調査と並行して、地域社会の調査を行ない、 トキの野生復帰のための環境創造を目的とし、平成15年3月トキの野生復帰のための環境再生ビジョンを示した。このビジョンの目標は、 平成27年(2015年)自然下でトキ60羽の定着である。

環境再生ビジョンの実現のため、各省、県、市、大学、教育機関、各種団体、NGO等が、 トキと共生するためのそれぞれの個別方針を策定し取り組みを開始した。

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各主体の取り組みの結果、2008年4月現在まで、環境保全型の水田、冬水田、通年ビオトープの面積は、小佐渡東部地域において、 年々面積を広げ、餌場の維持管理を行う地域団体も増加している。また、餌場における餌生物の高度化の取り組みも平成18年度よりスタートし、 餌場面積の拡大とともに、餌密度の拡大も徐々に進められている。

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平成17年に作成した小佐渡東部餌場マップ(第2版改訂版、地球環境基金助成事業)

これらの取る組みの一層の拡大とともに、取り組みの成果を、客観的に検証するしくみも、2015年の目標達成のために必要である。 この拡大と評価を目的に、地域社会モニタリングの手法を開発するため現在、小佐渡東部に於ける地位社会モニタリング方法の検討を行っている。

 

地域社会モニタリングの主体と対象

1.地域社会モニタリングA(餌場整備状況の継続的な把握)

トキと地域社会づくりの直接的な接点となる餌場・ねぐらの整備状況、その餌場・ねぐらの創出主体、 継続的な維持管理のしくみに対する実施状況を把握するためのモニタリングを継続的に行う。
この調査の主体は、トキの野生復帰連絡協議会とともに、各集落が担うことで、集落自身が、トキとの直接的な接点となる餌場・ ねぐらの整備状況を把握することができ、餌場・ねぐらの過不足や課題、整備目標の設定を、 集落自身で行うに足る情報を常に保有することを目的とする。

また、このモニタリング結果は、定期的に、トキ野生復帰ステーション、トキ保護センターへの情報提供を行い、 評価やアドバイスを受けることにより、地域における餌場・ねぐら整備活動の効果を高めることを目的とする。

「調べた人しか詳しくならない」だからこそ「日常的に餌場の維持管理を行う在所の人自身によるモニタリングが、継続的な餌場・ ねぐらの整備につながることを期待する。

image005 交流会館パネル

トキ交流会館に設置したモニタリングマップ(A) 各集落の状況をマップ上で鳥瞰できる。
同じマップを各集落の公民館等備置し、地元農家自身が、地元地域社会を見つめ直す。


2.地域社会モニタリングB(トキの餌場・ねぐら利用状況の継続的な把握)
試験放鳥後のトキの採餌場所、ねぐらとしての森林の利用状況、営巣場所と前記餌場・ねぐら整備ヵ所との関連性に関する調査を行う。

前記モニタリング調査によって、集落の餌場、ねぐらの整備状況を把握した上で、試験放鳥後のトキの飛来情報を、餌場・ ねぐらの位置情報として日常的に把握することを目的とする。このモニタリングの結果として、 地域社会モニタリングAの評価を集落自身で行うことが可能となる。

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各集落でのトキと共生した里づくりの検討 どこにトキが来るか

立間保全作業 立間サワガニ調査
トキの好む環境をつくろうと住民主導のさまざまな活動が展開している


地域社会モニタリングの方法

1.地域社会モニタリングAは、地域社会モニタリングマップAにて行う。
地域社会モニタリングマップAは、各集落毎にパネル化した航空写真である。この写真の精度は、水田1枚1枚を判別することが可能な写真であり、 集落では、この写真上に、候補地(白)、予定地(黄色)、ビオトープ整備地(水色)、環境保全型水田・冬水田整備地(赤)、森林整備地(緑) の各ピンを色分けして刺すことで、計画図の作成を行う。
作成した計画図は、集落の餌場・ねぐら整備状況に応じて更新し、更新した情報は、トキ交流会館設置の「地域社会モニタリングA」に反映させる。


2.地域社会モニタリングBは、地域社会モニタリングマップBにて行う。
地域社会モニタリングマップBは、小佐渡東部地区を、経度緯度(1度)の主線(赤)と10秒の補助線(青)によりメッシュで区分けされた1/ 25000の国土地形図である。
縦列に、あいう・・・、横列を123・・・で主線分類し、1度の升目は、10秒単位に6個の補助線に分け36分割した図である。
このメッシュの行列番号(記号化した経度緯度情報)を示すことにより、専門家によるトキの生態情報のモニタリングとの連携をはかるものである。 現在、地図の範囲とメッシュの幅(経度緯度線)の検討を、環境省をはじめとする研究チームとの検討を行っている。本マップの配布は、 試験放鳥直前までに環境省をはじめとする各主体との協議を終え8月中に配布を予定している。

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第1版目のモニタリングマップ(B)

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第2版目のモニタリングマップ(B)

[ 2008年07月02日 | レポート ▼ひとつ前へ戻る ▲ひとつ次へ進む ]