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1.佐渡島(小佐渡東部地域)におけるトキの野生復帰のための地域社会づくり
平成12年度、環境省は、トキの野生復帰のためのビジョン作成事業(H12~H14年度「共生と循環の地域社会づくりモデル事業(佐渡地域)」 を開始した。自然環境調査は(財)自然環境研究センター、社会環境調査は里地ネットワークがそれぞれ担当し、 佐渡島におけるトキの野生復帰のための目標と地域社会の将来像を描いた。このビジョン策定事業を通じて、里地ネットワークでは、 佐渡島における地域社会づくりを4つの段階に分け、情報の共有、核となる活動母体の形成、活動母体の拡大、 質的向上をめざす段階的な地域社会づくりを開始した。

第1段階(~H12)は、新たに始まるトキの野生復帰プロジェクトに関わる人々と、 それ以前からトキ保護に関わってきた島内の人々との交流を通じて、トキ保護に関わる経験と智恵を関係者全員で共有する段階。

第2段階(H12~H14)は、ビジョン策定期間中に、佐渡島の地域社会の特性を把握し、地区単位での活動、農業団体、森林組合、 漁協等の各団体活動、小中学校の学習の年間計画の中に、トキの餌場づくり等の活動を組み込む段階。

第3段階(H15~H18)は、各主体の連携と協働体勢の構築を行う段階。この段階では、環境省のモデル事業が終了しているため、 新たに地域社会づくりを推進する組織として「トキの野生復帰連絡協議会」(以下「協議会」と略す)を設置し、年6回程度の協議会を開催し、 トキに関わる情報の共有と各主体に期待される活動の検討等を行った。同時に、新たな活動団体の育成と協議会への加入を通して、 トキの野生復帰の手順の共有と餌場整備活動の拡大に努めた。

第4段階(H19~H22)は、試験放鳥の受け入れと試験放鳥後の地域社会モニタリング体勢の構築(現在進行中)である。 環境省トキ野生復帰ビジョンにおいて当初設定したトキ野生復帰エリアは、小佐渡東部の山中と隣接する集落の範囲である。この想定エリアは、 およそ10キロ四方の中にあり、標高600mから海や加茂湖へとつらなる幾重もの谷と平地を組み合わせた地形の中に、40の集落があるため、 トキの生息環境の整備とモニタリングには、地域社会の積極的な協力が不可欠である。これまで、 餌場整備活動等を行ってきた地域も行ってこなかった地域も含め、トキとの共生の意識を醸成することで、効果的なモニタリングが可能である。 このため該当地区の全ての地区に、一枚一枚の水田を見分けることができる精度の航空写真「地域版モニタリングマップ」 を制作し各公民館に配布した。この写真パネルは、地区内における環境保全型の水田の位置、ビオトープの位置を表示すると共に、試験放鳥後は、 トキ飛来地、採餌地、営巣地を、マップピンで表示する地域社会版のモニタリングツールとして活用予定である。

地域社会づくりの手順は、上記の4段階であるが、以下は、それぞれの主体が果たしている役割を中心に、 生物多様性と地域との関わりを紹介する。

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野生にいたトキ(佐渡島1970年頃)

 

[ 2008年07月02日 | レポート ▼ひとつ前へ戻る ▲ひとつ次へ進む ]