野生下のトキの2組目のふ化(ヒナの誕生)が確認されました。

 平成24年5月5日(土)環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、4月4日(水)に産卵したとみられる野生下のトキのペアの卵からヒナが誕生したことを、5月5日(土)10時30分に、モニタリングチームが確認しました。
本年4月22日(日)に確認された36年ぶりの野生下のふ化に続いて、2例目のふ化となります。
現時点で営巣が確認されている放鳥トキのペアは8組で、いずれのペアも抱卵又は育すう(ヒナを育てること)が確認されています。

親鳥(オス)_ヒナ1羽 

以下、環境省からの発表です。

1・ふ化が確認されたペアについて
(1)個体番号:(2007年生まれ、オス)及び(2009年生まれ、メス)
 このペアは、2010年11月に行った第3回放鳥で野生復帰ステーションから放鳥された個体同士のペアで、昨年もペアを形成した。昨年は、今年と同じ営巣木で2度営巣し、少なくとも合計8つの卵を産卵したが、ふ化は確認されなかった。 

(2)確認日:平成24年5月5日(土)

(3)確認の経過:
本年は4月2日(月)に、昨年巣を造った杉林のスギで営巣を開始したのを確認した。4月5日(木)には抱卵を確認したため、4月4日(水)の夕刻以降に産卵し、抱卵を開始した可能性が高いと判断した。
5月5日(土)に、モニタリングチーム(新潟大学職員)がビデオカメラで撮影を行いながら観察を行っていたところ、10時30分に巣の中にヒナ1羽の頭部を確認し、続けて、エサを吐き戻してヒナに与える給餌の姿勢をとる親鳥(オス)の様子を確認した。ヒナはまだ小さく、頭部しか確認できないが、推定される産卵日からの経過日数等も考慮すると、5月2日から4日の間にふ化したものと考えられる。また、確認されたのは1羽だが、2羽以上のヒナが存在する可能性や、巣の中に今後ふ化する卵が残されている可能性は否定できない。
なお、5月4日(金)にも午前9時頃から午後6時頃までビデオカメラを設置し、撮影を行ったが、4日はヒナの姿や給餌を行う様子は確認できなかった。なお、同日は雨のため、映像は鮮明ではなかった。