中国からのトキ貸与について(佐渡トキファンクラブ通信の記事より)

 今年の10月17日、11年ぶりに中国から2羽のトキが佐渡に到着しました。雄の楼楼(ロウロウ)と雌の関関(グヮングヮン)です。今回はそれを記念して、中国からのトキの貸与についてまとめました。

● これまでの経緯

 2羽だけとなった日本産のトキを増やすため、1985年から日中間でトキの繁殖が試みられましたが、なかなか成功しませんでした。1999年に日本で初めて飼育繁殖に成功したのが、中国から贈られた友友(ヨウヨウ)と洋洋(ヤンヤン)のペアでした。その後、美美(メイメイ)、溢水(イーシュイ)、華陽(ホワヤン)が貸与されました。今日本で増えているトキたちは、これら5羽から派生したトキたちです。


人工繁殖で生まれた日本初の雛「優優(ユウユウ)」
(写真:佐渡トキ保護センター)

● 新たなトキ貸与の意義

・遺伝的多様性
 自然環境の変化や新たな病原菌など、不測の事態に適応するためには遺伝的多様性が重要になります。野生のトキは増えていますが、5羽の遺伝子がもとになっているので、遺伝的多様性は低いままです。この観点から、新たなトキの貸与は久しく待ち望まれていたことでした。

・高齢化対策
 友友と洋洋は今年22歳です。美美は2015年に事故で死亡しました。溢水(イーシュイ)と華陽(ホワヤン)は15歳です。中国では繁殖に成功したトキの最高齢は23歳だそうです。友友の場合、9歳の雌とペアリングして昨年は1羽のヒナが孵化しましたが、今年は全ての卵が無精卵という結果でした。繁殖のもとになっているトキの高齢化は確実に進んでいます。そんな中、若い2歳のトキ、楼楼(ロウロウ)と関関(グヮングヮン)の貸与は新たな希望をもたらしてくれました。

● 2羽のペアリングについて

 雄の楼楼(ロウロウ)は「溢水(イーシュイ)系統」の雌と、雌の関関(グヮングヮン)は「華陽(ホワヤン)系統」の雄とペアリングします。10月26日にそれぞれの相手とトキ保護センターの繁殖ケージに入り、仲良く暮らしているそうです。第一段階として、この系統のトキを増やすために、人工孵化を基本に繁殖を進めます。 

  
楼楼(右)とペアリングの雌(左)       関関(右)とペアリングの雄
(写真:環境省)

 

表.トキ繁殖に関する日中協力の経緯