猛禽類に襲撃された放鳥トキ1羽を保護、収容しました。(2例目)

平成24年1月14日(土)環境省からの発表で、同日、午前6時40分頃、モニタリングチームが放鳥トキのモニタリングを行っている際に、佐渡市新穂地区のねぐらから20羽以上のトキが一斉に飛翔した。その際、1羽が鳴きながら低空で飛翔するのを環境省職員が確認した。トキが飛翔した方向を探索したところ、午前6時43分頃、ねぐらから約200m離れたハス田にトキが倒れているのを確認し、6時55分頃、野生復帰ステーションに搬入した。

1月9日(月)に1羽のトキが襲われたことから、以降ねぐら周辺のモニタリングを強化しており、当日は環境省、請負事業者、新潟大学の職員、鳥獣保護員、ボランティア市民合計7名がねぐら周辺でモニタリングを行っていた。

なお、トキが一斉に飛び立つ直前に、ねぐらから500mほど離れた地点から、ねぐら方向でハヤブサらしき個体が1羽飛翔するのを請負事業者職員が確認した。この個体がトキを襲撃した個体であったかは不明であり、1月9日同様、トキを襲撃した種は特定できなかった。
なお、ねぐらの周辺でもオオタカ、ハヤブサなど鳥類を捕食する猛禽類は日常的に確認されています。


(保護された放鳥トキ)


(襲撃されたトキが保護された現場)

■個体の処置
診察の結果、致命傷は認められないが、顎部、胸部、及び左眼の下に裂傷、左眼瞼(まぶた)に損傷が認められた。顎部及び、眼の下の裂傷の縫合、傷口の消毒、抗生物質の投与(注射)、採血を行い、野生復帰ステーションの収容ケージに収容した。インフルエンザ簡易検査の結果は陰性。当面、野生復帰ステーションで経過を観察する予定です。

■保護した個体について
当該個体は、2009年9月の第2回放鳥で放鳥した2008年生まれのメス(4歳、No.27)。放鳥後、継続して新穂地区・両津地区を中心に佐渡島内で行動していた。2011年の繁殖期には2005年生まれのオス(No.01)とともに、擬交尾・巣作りが頻繁に確認されていたが、巣を作ることはできなかった。

■今後の対応について
今後しばらくの間、ねぐら周辺のモニタリング体制の強化を継続するとともに、専門家の助言等を得ながらトキを襲撃した種や個体の特定に努めることとしている。

■1月9日に保護された個体の状況について
1月9日に保護された2005年生まれのメス(No.18)は、食欲もあり、徐々に回復しつつある。上眼瞼結膜に血腫が認められるものの、損傷した裂傷は閉塞し、打撲・内出血は治癒しつつある。1月12日に追加的に採血を行い、放鳥したトキの栄養状態を血液学的に検査することとしている。しばらくの間、収容ケージでの経過観察を継続する。