野生下トキ 今期最初の営巣

環境省からの発表で、平成29年3月8日、新潟県佐渡市において、野生下のトキのペア1組が営巣を開始が確認されました。今年最初のトキの営巣確認となります。

巣材を運ぶトキ
2羽で巣を整えるNo.172、足環なしのペア

1営巣を確認したペアについて
(1)個体番号:No.172(2011年生まれ、オス)及び 足環なし(メス)
No.172:第10回放鳥個体(2014年6月6日飛翔)
足環なし:野生下生まれ(誕生年は不明)
(2)確認日:平成29年3月8日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)状況:この2羽は、2月中旬頃から営巣場所付近で行動する様子が確認され、同下旬にかけて擬交尾や枝を運ぶ様子が観察されていたため、注意して観察を継続していた。
3月8日午前6時頃に、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、スギの樹上において2羽で巣造りする様子が見られ、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

2その他の個体の状況
 現在、佐渡島内においては、放鳥トキが約130羽、野生生まれのトキが約70羽程度生息しているとみられ、そのうち、繁殖可能な年齢(2歳以上)の個体は、雌雄ともに70羽前後(足環のない個体を除く)となっている。
現時点においては、50組程度のトキが、特定のエリアを中心にペアで行動する様子が観察されており、今後順次、営巣が確認されるものと見込まれる。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。