野生下生まれペアのヒナ 巣立ち

平成28年6月1日(水)環境省からの発表で、4月28日にヒナ誕生を確認していた野生下で誕生したトキ同士のペアにおいて、巣立ちが確認されました。野生下で誕生したトキ同士のペアによるヒナの巣立ちは、昭和49年以来、42年ぶりとなります。野生下のトキの営巣状況の全体については、本日までに、6組で巣立ちを確認し、営巣が確認されているペアは18組となり、そのうち12組で育雛、5組で抱卵が確認されています。

1 巣立ちを確認したペアについて(野生下で誕生したトキ同士のペア)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成28年6月1日(水)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月28日にヒナ誕生を確認し、4月30日にヒナ計2羽、5月6日にヒナ計3羽を確認していた。また、5月16日にヒナ3羽に足環装着(No.A43、A44、A45)を実施していた。6月1日午前5時40分頃から9時15分頃にかけて環境省職員が巣の様子を観察したところ、6時48分頃にNo.A44が巣の近くの枝に移動する様子が確認され、9時12分頃にはNo.A43についても同様の様子が確認されたことから、ヒナ2羽が巣立ちをしたと判断した。5月31日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。

野生下ペアの雛巣立ち
巣立ちしたNo.A44(写真左)

◆トキの巣立ちについて
環境省では、トキの巣立ちについて、飼育下で適用している定義と同じく「両脚を巣の外に完全に出すこと」としている。一度巣の外に出ても再び巣に戻ることもあるが、数日中にはほとんど巣を離れ、他の枝に飛び移ったり、地上に降りたりという行動が見られることが多い。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。