野生下のトキの営巣状況(4/15)

平成28年4月15日時点野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。営巣が確認されているペアは、当ペアも含め全体で31組、そのうち1組で育雛、27組で抱卵が確認されています。

1 営巣・抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号:No.135(2006年生まれ オス) 及び No.184(2013年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月15日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月中旬頃から営巣地付近にて2羽で行動する様子が観察され、4月上旬頃から2羽で巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月15日午前7時25分頃から7時45分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。4月11日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

2 営巣を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.204(2013年生まれ オス) 及び No.224(2012年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月14日(木)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:3月下旬頃から2羽で探餌する様子が観察され、4月上旬頃から営巣地付近で同ペアとみられる個体が巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月14日午後1時47分頃から2時4分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、No.204(オス)が巣造りする様子が確認され、イヌシデの樹上に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

巣を整えるトキ
巣を整える#204(#204、#224ペア)

(Ⅱ)
(1)個体番号:No.92(2009年生まれ オス) 及び No.200(2012年生まれ メス)
(2)確認日:平成28年4月15日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:4月上旬頃から営巣地付近で同ペアとみられる個体が巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月15日午前6時25分頃から7時30分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、2羽で巣造りする様子が確認され、スギの樹上に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

3 抱卵中止を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:No.214(2013年生まれ、オス) 及び No.203(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成28年4月15日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、3月28日に抱卵を確認していた。4月15日午前8時30分頃から8時45分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を確認したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、同日に巣の下を踏査したところ、卵の殻2個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

(Ⅱ)
(1)個体番号:No.211(2013年生まれ オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日:平成28年4月15日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:このペアは、4月12日に抱卵を確認していた。4月15日午前6時14分頃から8時15分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、巣にノスリが飛来し巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できず、8時56分頃に2羽が付近の水田で採餌する様子が観察されたことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点では実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。