2015年の野生下のトキの繁殖結果について

環境省より2015年の野生下のトキの繁殖結果について
6月19日(金)育雛中となっていた最後のペア1組において、ヒナ2羽の巣立ちを確認しました。その他に営巣行動は確認されていないため、本日の巣立ちの確認をもって、今期における野生下のトキの繁殖活動は終了したものと見られます。
今期の野生下のトキの繁殖結果を総括すると、ペアの組み替えも含めて延べ38ペアが営巣し、そのうち12組から21羽のヒナが誕生、さらにそのうちの8組から16羽が巣立ちしたことになります。

巣立ちを確認したペア
(1)個体番号:No.161(2011年生まれ、オス) 及び No.149(2012年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年6月19日(金)
(3)場所:新潟県佐渡市
(4)経過:5月29日にヒナ2羽を確認していた。ヒナへの足環装着については、巣の位置が枝の先端部にあり捕獲作業が困難であることから、実施を見送っていた。6月19日午前5時55分頃に、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の観察をしたところ、ヒナ1羽が、営巣木の巣より低い位置の枝に留まる様子が確認され、もう1羽についても巣の近くの枝に留まる様子が観察されたことから、ヒナ2羽が巣立ちをしたと判断した。6月16日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちをした可能性が高いと思われる。

巣立ったヒナ1羽(#161#149ペア)

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いいたします。