野生下のトキの今期最初のヒナ誕生が確認されました。

環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、野生下のトキのペア2組において、今期最初のヒナが誕生しているのを確認しました。
営巣が確認されているペアは、当ペアも含めて20組、そのうち2組で育雛、17組で抱卵が確認されています。

営巣・抱卵中のペア(平成27年4月24日時点)

  ペア数
営巣が確認されているペア 20 組

育雛中(営巣中内)

2 組
抱卵中(営巣中内) 17 組


1 ヒナを確認したペア
(1)個体番号:No.67(2009年生まれ、オス) 及び No.80(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月24日(金)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:このペアは、2012年、2013年、2014年の繁殖期に各3羽を巣立たせたペアで、3月23日に営巣開始が確認され、3月26日に抱卵が確認されていた。
4月24日午前6時55分頃、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の観察をしていたところ、巣上にヒナ1羽の姿を確認した。
前日の早朝に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

ヒナ1羽と#80(メス)
ヒナ1羽とNo.80(メス)

2 給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペア
(1)個体番号:No.86(2009年生まれ、オス) 及び No.134(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月24日(金)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:このペアは、昨年の繁殖期に1羽を巣立たせたペアで、3月15日に営巣開始が確認され、3月22日に抱卵が確認されていた。
4月24日午前6時5分頃から11時19分頃にかけて、環境省職員が動画撮影を行い映像を確認したところ、8時7分頃に、No.86(オス)がヒナに餌を与える様子を確認したことからヒナが誕生しているものと判断した。
なお、これまでの観察経過から、ふ化日は不明である。

ヒナに給餌する#86(オス)
ヒナに給餌するNo.86(オス)

3 抱卵を確認したペア
(1)個体番号:No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.157(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月22日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:このペアは、4月20日に抱卵が確認された後、4月21日に抱卵を中止していた。
4月22日午前6時10分頃から6時15分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、巣上にNo.157(メス)が座り込む様子を確認したことから、抱卵を再開したものと判断した。
4月21日に観察を行った際は、抱卵を中止していたことから、21日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

3 営巣・抱卵を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.127(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月22日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:4月22日午前5時40分頃に、モニタリングチーム(新潟大学職員)が観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上にNo.127(メス)が座り込んでいる様子を確認し、5時51分頃から6時29分頃にかけて、同職員が動画撮影を行い映像を確認したところ、2羽が交互に座り込む様子がみられたことから、抱卵を開始したものと判断した。4月16日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、16日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
なお、足環なし個体とNo.127のペアについては、3月28日に営巣・抱卵が確認された後、4月13日に抱卵を中止していた。今回の足環なし個体が、前回No.127と営巣・抱卵していた個体と同一かどうかを識別することは困難である。
営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)
(1)個体番号:足環なし(オス) 及び No.A03(2013年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月23日(木)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:このペアのうち、足環なし個体は2012年又は2014年の繁殖期に野生下で誕生した個体で、No.A03は2013年の繁殖期に、No.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体である。
4月23日午前6時33分頃から7時28分頃にかけて、環境省職員が観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ2羽が交互に座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
4月22日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、22日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
なお、足環なし個体とNo.A03のペアについては、3月27日に営巣、4月10日に抱卵が確認された後、4月12日に抱卵を中止していた。今回の足環なし個体が、前回No.A03と営巣・抱卵していた個体と同一かどうかを識別することは困難である。
営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

2羽で巣を整えた後抱卵する足環のない個体
2羽で巣を整えた後抱卵する足環のない個体

5 抱卵中止を確認したペア
(1)個体番号:No.91(2009年生まれ、オス) 及び No.154(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成27年4月24日(金)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:このペアは、飼育番号No.34(2001年生まれ、オス)とNo.58(2003年生まれ、メス)の子できょうだい(同年同巣の姉弟)にあたり、4月8日に抱卵中止を確認した後、4月15日に再抱卵を確認していた。
4月24日午前5時56分頃から6時11分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、抱卵をしていない状況が確認され、9時45分頃から10時20分頃にかけて、同巣を再度観察した際にも巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

6 野生下のトキの営巣状況(まとめ)

 (1)営巣中(育雛中)
番号・生まれ年・性別 状 況

No.86(2009年 オス)
No.134(2011年 メス)

3月15日 スギで営巣を確認
3月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)4月17日

No.86(2009年 オス)
No.134(2011年 メス)

3月15日 スギで営巣を確認
3月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)
4月24日 給餌行動を確認

 

 (2)営巣中(抱卵中)
番号・生まれ年・性別 状 況

足環なし(オス)
No.201(2012年 メス)

3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)

No.68(2010年 オス)
No.78(2010年 メス)

3月23日 スギで営巣を確認
3月26日 抱卵確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)

No.33(2008年 オス)
No.38(2007年 メス)

3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)

No.71(2009年 オス)
No.79(2010年 メス)

3月24日 スダジイで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)

No.98(2010年 オス)
No.156(2011年 メス)

3月23日 スギで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)

No.74(2009年 オス)
足環なし(メス)

3月26日 スギで営巣を確認
4月1日 抱卵確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)

No.92(2009年 オス)
No.200(2012年 メス)

4月2日 スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)

No.146(2011年 オス)
No.163(2011年 メス)

4月8日  スギで営巣を確認
4月12日 抱卵確認
(10日夕刻以降に産卵と推定)

No.177(2012年 オス)
No.199(2012年 メス)

4月3日  サクラで営巣を確認
4月13日 抱卵確認
(10日夕刻以降に産卵と推定)

No.161(2011年 オス)
No.149(2012年 メス)

4月13日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(12日夕刻以降に産卵と推定)

No.143(2011年 オス)
No.183(2013年 メス)

4月13日 スギで営巣・抱卵を確認
(10日夕刻以降に産卵と推定)

No.11(2006年 オス)
No.03(2005年 メス)

4月16日 スギで営巣・抱卵を確認
(14日夕刻以降に産卵と推定)

No.138(2011年 オス)
No.195(2012年 メス)

4月16日 スギで営巣・抱卵を確認
(15日夕刻以降に産卵と推定)

No.108(2010年 オス)
No.114(2011年 メス)

4月18日 スギで営巣・抱卵を確認
(17日夕刻以降に産卵と推定)

No.50(2007年 オス)
No.157(2010年 メス)

4月17日 スギで営巣・抱卵を確認
4月20日 抱卵確認
(19日夕刻以降に産卵と推定)
4月21日 抱卵中止を確認
4月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし(オス)
No.127(2011年 メス)

4月22日 クロマツで営巣・抱卵んを確認
(16日夕刻以降に産卵と推定)

足環無し(オス)
No.A03(2013年 メス)

4月22日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(16日夕刻以降に産卵と推定)

 

 (3)営巣中(抱卵未確認)
番号・生まれ年・性別 状 況

No.72(2009年 オス)
No.A04(2013年 メス)

4月3日 クロマツで営巣を確認

 

 (4)営巣・抱卵中止
番号・生まれ年・性別  状 況

足環なし(オス)
No.158(2010年 メス)

3月24 日 クロマツで営巣を確認
3月27日 営巣中止を確認

No.105(2010年 オス)
No.157(2010年 メス)

3月22日 スギで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
3月27日 抱卵中止を確認

No.50 (2007年 オス)
No.114(2011年 メス)

3月25日 スギで営巣・抱卵を確認
(22日夕刻以降に産卵と推定)
4月3日  抱卵中止を確認

No.107(2010年 オス)
No.95(2010年 メス)

3月26日 スギで営巣を確認
3月29日 抱卵確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
4月6日 抱卵中止を確認

足環なし(オス)
No.A03(2013年 メス)

3月27日 クロマツで営巣を確認
4月10日 抱卵確認
(9日夕刻以降に産卵と推定)
4月12日 抱卵中止を確認

No.137(2011年 オス)
No.194(2012年 メス)

3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
4月13日 抱卵中止を確認

足環なし(オス)
No.127(2010年 メス)

3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
4月13日 抱卵中止を確認

足環なし(オス)
No.96(2010年 メス)

3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
4月13日 抱卵中止を確認

No.85(2009年 オス)
No.93(2009年 メス)

4月14日 スギで営巣・抱卵を確認
(9日夕刻以降に産卵と推定)
4月16日 抱卵中止を確認

No.136(2009年 オス)
No.196(2012年 メス)

4月7日  スダジイで営巣・抱卵を確認
(5日夕刻以降に産卵と推定)
4月17日 抱卵中止を確認

No.08(2006年 オス)
No.25(2008年 メス)

3月30日 スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
4月20日 抱卵中止を確認

No.A02(2013年 オス)
No.A01(2013年 メス)

4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
4月20日 抱卵中止を確認

No.91(2009年 オス)
No.154(2009年 メス)

4月2日 スギで営巣・抱卵を確認
4月6日 抱卵確認
(5日夕刻以降に産卵と推定)
4月8日 抱卵中止を確認)
(卵の殻1個分を回収)
4月15日 スギで再営巣・抱卵を確認
4月24日 抱卵中止を確認

 【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いいたします。