野生復帰ステーション一般開放

2014年10月18日、佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの一般開放が行われました。同施設の一般開放は、野生復帰事業を一般の方に広く理解していただく為に開催され、今回で4回目の開催となります。当日は島内外から約50名の参加者が、放鳥訓練を行う順化ケージ内に入り、環境省の方や、佐渡トキ保護センターの方から、トキ野生復帰について説明を聞きました。

▼ 野生復帰ステーションとは?
トキをより自然に近い環境下で採餌や飛翔能力、基本的な生存能力等を養い、周辺環境にも慣れるといった、放鳥のための訓練を行う施設です。施設内にある順化ケージでは、年2回、3月と6月頃に訓練を開始し、約3ヶ月間訓練を行い、6月、9月頃に放鳥を行っています。

野生復帰ステーションの入口、普段は一般向けの開放はされていません。※施設前道路を少し上った所に順化ケージを見下ろせる観察棟があります。

環境省 遠矢自然保護官から野生下トキの説明
佐渡トキ保護センター 本間獣医から飼育トキの説明

野生復帰ステーションには、飼育を担当する、佐渡トキ保護センターの職員さんと、野生復帰を担当する、環境省佐渡自然保護官事務所の職員さんがいます。先ず始めに事務所にて、野生下トキや飼育に関する話を聞き、順化ケージへ移動しました。

 順化ケージは、幅約50m、奥行約80m、高さ約15m、広さ約4000㎡あり、ケージ内には山間部の棚田をイメージした採餌用の水辺が造成されています。
また、マツやコナラなどの自然木を周辺の山林から移植し、自然に近い環境を再現しています。見学された方も施設の大きさに驚いていました。また、ケージ入口には、放鳥トキの個体識別用のカラーリングやナンバーリング、野外での行動をみるGPS装置や、飼育時の人工飼料や道具などの展示もありました。

個体識別用のナンバーやカラーリング、GPS装置
飼育トキの馬肉飼料や飼育に関する道具

ケージ内では、トキの形をしたオカリナを制作している、陶芸家の池田脩二さんのオカリナ演奏もありました。池田さんは、子供の頃、家の近くに来たトキを見たことがきっかけでトキの形をしたオカリナを制作し、自ら演奏も行っています。当日はトキをテーマとしたオリジナルの曲やトキの鳴き声を披露していただきました。

城南窯の池田脩二さん
池田さんが制作しているトキの形のオカリナ

▼関連リンク
佐渡トキ保護センター 野生復帰ステーション