2012年に野生下で誕生したトキから3組目となるヒナの誕生が確認されました。

平成26年5月27日、環境省からの発表で、本日、4月28日に営巣・抱卵を確認していた2012年に野生下で誕生したトキのペアに、ヒナが誕生しているのが確認されました。
このペアを含めて野生下で誕生したトキのヒナ誕生は3組目となり、野生下のトキのヒナ誕生は、今期14組目となります。
また、本日野生下のトキのヒナへの足環装着が行われました。

本日時点で2組が巣立ち(育雛中を含む)、営巣が確認されているペアは13組、そのうち10組で育雛、2組で抱卵が確認されています。

1.ヒナを確認したペア

(1)個体番号: 足環なし(2012年生まれ、オス)及びNo.96(2010年生まれ、メス)
(2)確認日: 平成26年5月27日(火)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月28日にクロマツの樹上にて営巣・抱卵する様子が確認されていた。5月27日午後0時25分頃、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の様子を観察したところ、巣上にヒナ1羽の姿を確認した。
なお、これまでの観察経過から、ふ化日は不明である。

2.足環装着等を行ったペア

(1)

(1)個体番号: 足環なし(2012年生まれ、オス)及び No.127(2011年生まれ、メス)
5月9日 ヒナ計2羽を確認
(2)実施日: 平成26年5月27日(火)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

6:15 林内作業班6名が営巣木のある林内に入り、準備作業を開始。
6:20 捕獲作業員が営巣木にロープを用い登り始める。親鳥は巣から飛去。
6:39 捕獲作業員がヒナ2羽を捕獲し、収容カゴに入れる。
6:40 収容カゴをロープで下ろし、地上で足環装着、身体測定(自然翼長・跗蹠長、嘴峰長)、羽毛採取(4枚、血液を用いた雌雄判別等に使用)、写真撮影を行う。同時に樹上で巣の計測等を実施。
7:02 収容カゴを樹上に引き上げ、ヒナ2羽を巣に戻す。
7:08 全ての作業を終了し、林内から撤収。
8:29 親鳥1羽(No.127)が巣に戻る。
10:19 親鳥1羽(足環なし)によるヒナへの給餌を確認。

(5)捕獲したヒナの状況:

(1)A11
体重:1,147g
自然翼長:240mm
跗蹠長:63.1mm
推定日齢:24~25日齢程度
装着した足環:
ナンバーリング:プラスチック製の番号足環(「A11を刻印)、左関節下
補助カラーリング:プラスチック製の黄・赤・白色の足環、右関節下3個
金属リング:環境省が定める全国共通の足環、左関節上
ヒナの健康状態:良好

(2)A12
体重:1,342g
自然翼長:270mm
跗蹠長:70.6mm
推定日齢:25~26日齢程度
装着した足環:
ナンバーリング:プラスチック製の番号足環(「A12」を刻印)、左関節下
補助カラーリング:プラスチック製の黄・赤・橙色の足環、右関節下3個
金属リング:環境省が定める全国共通の足環、左関節上
ヒナの健康状態:良好

(6)営巣環境等

営巣木:クロマツ
巣の高さ:14m程度
巣の大きさ:長径70cm、短径50cm、厚さ15cm、深さ5cm

 

<作業実施体制>
林内作業(6名)
作業統括(環境省職員)
ヒナ捕獲作業員(自然環境研究センター研究員)
足環装着(佐渡トキ保護センター職員)
保定(佐渡トキ保護センター職員)
記録(新潟大学職員、環境省職員)
林外作業(4名)
モニタリング(調査請負事業者職員、市民ボランティア2名、環境省職員)

 

(足環なし#127ペア)足環装着 (足環なし#127ペア)計測

(足環なし#127ペア)足環装着後のヒナ (足環なし#127ペア)巣

(2)

(1)個体番号: No.74(2009年生まれ、オス)及び 足環なし(2012年生まれ、メス)
5月24日 ヒナ計3羽を確認
(2)実施日: 平成26年5月27日(火)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

7:43 林内作業班6名が営巣木のある林内に入り、準備作業を開始。
7:46 捕獲作業員が営巣木にロープを用い登り始める。親鳥は巣から飛去。
8:10 捕獲作業員がヒナ3羽を確認、そのうち2羽を捕獲し収容カゴに入れる。
     1羽は巣から延びる枝へ離れて留まり、捕獲を見送り。
8:12 収容カゴをロープで下ろし、地上で足環装着、身体測定(自然翼長・跗蹠長、嘴峰長)、羽毛採取(4枚、血液を用いた雌雄判別等に使用)、写真撮影を行う。同時に樹上で巣の計測等を実施。
8:37 収容カゴを樹上に引き上げ、ヒナ2羽を巣に戻す。
8:44 全ての作業を終了し、林内から撤収。
9:52 枝に離れて留まった1羽が巣上に戻る。
11:48 親鳥1羽が巣に戻る。
11:52 親鳥1羽によるヒナへの給餌を確認。

(5)捕獲したヒナの状況:

 (1)A13
体重:1,265g
自然翼長:215mm
跗蹠長:66.1mm
推定日齢:18日齢程度
装着した足環:
ナンバーリング:プラスチック製の番号足環(「A13」を刻印)、左関節下
補助カラーリング:プラスチック製の黄・赤・桃色の足環、右関節下3個
金属リング:環境省が定める全国共通の足環、左関節上
ヒナの健康状態:良好

(2)A14
体重:1,237g
自然翼長:250mm
跗蹠長:69.7mm
推定日齢:21日齢程度
装着した足環:
ナンバーリング:プラスチック製の番号足環(「A14」を刻印)、左関節下
補助カラーリング:プラスチック製の黄・赤・黒色の足環、右関節下3個
金属リング:環境省が定める全国共通の足環、左関節上
ヒナの健康状態:良好

(6)営巣環境等

営巣木:スギ
巣の高さ:21m程度
巣の大きさ:長径60cm、短径60cm、厚さ13cm、深さ5cm
巣内から無精卵1個を回収

 

<作業実施体制>
林内作業(6名)
作業統括(環境省職員)
ヒナ捕獲作業員(山階鳥類研究所研究員)
足環装着(佐渡トキ保護センター職員)
保定(佐渡トキ保護センター職員)
記録(新潟大学職員、環境省職員)
林外作業(3名)
モニタリング(調査請負事業者職員、市民ボランティア、環境省職員)

 

(#74足環なしペア)木登り開始 (#74足環なしペア)足環装着

(#74足環なしペア)計測 (#74足環なしペア)足環装着後のヒナ

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。