野生下のトキの10・11組目のヒナ誕生及び営巣状況

平成26年5月14日(水)環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、新たに2組の野生下のトキのペアにおいて、ヒナが誕生しているのを確認しました。当ペアも含めて野生下のトキのヒナ誕生は、今期11組目となります。本日までに1組が巣立ち、営巣が確認されているペアは14組、そのうち8組で育雛、5組で抱卵が確認されています。

1. ヒナを確認したペア

(1)

(1)個体番号:No.68(2009年生まれ、オス)及び No.134(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月14日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

この2羽は、2012年の繁殖期からペアを形成していたが、いずれの年もふ化には至っていなかった。
このペアは、3月27日に営巣・抱卵開始が確認され4月15日に抱卵が中止されたが、17日に再営巣・抱卵が確認されていた。5月14日午前8時10分頃から8時40分頃にかけて、環境省職員が巣の様子を観察したところヒナを確認し、撮影した映像を確認したところ、巣上にヒナ2羽の姿を確認した。
なお、これまでの観察経過から、ふ化日は不明である。

野生下トキ
確認されたヒナ2羽(No.68 NO.78ペア)

(2)

(1)個体番号:No.08(2006年生まれ、オス)及び No.25(2008年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月14日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

この2羽は、2010年の繁殖期からペアを形成していたが、いずれの年もふ化には至っていなかった。
このペアは、3月27日に抱卵開始が確認され4月3日に抱卵が中止されたが、5月1日に再営巣・抱卵が確認されていた。5月14日午前8時20分頃から8時50分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣の様子を観察したところヒナを確認し、撮影した映像を確認したところ、巣上にヒナ羽の姿を確認した。
なお、これまでの観察経過から、ふ化日は不明である。

野生下トキ
確認されたヒナ1羽とメスNo.25

2. 育雛中止を確認したペア

(1)個体番号:No.11(2006年生まれ、オス)及び No.03(2005年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月14日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、5月3日にヒナ2羽を確認し、10日に観察した際にはヒナ1羽(1羽は行方不明)となっていたペアである。14日午前5時35分頃から6時頃にかけて、モニタリングチーム(市民ボランティア)が巣の様子を観察したところ、巣が空いた状態となり親鳥の巣に戻る様子が確認されず、巣上にヒナの姿も確認できなかったことから、育雛を中止したものと判断した。
12日朝に巣を観察した際にはヒナの姿が確認されていたが、巣の下の踏査は本日時点で実施しておらず、育雛を中止した理由については不明である。

3. 抱卵中止を確認したペア

(1)

(1)個体番号:No.85(2009年生まれ、オス)及び No.93(2009年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月14日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月25日に営巣・抱卵開始を確認したペアである。
5月13日午前6時50分頃から7時30分頃にかけて巣の空いた状態が観察され、本日午前5時20分頃から6時50分頃にかけても巣の空いた状態となり、以降抱卵を再開する様子が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

(2)

(1)個体番号:No.92(2009年生まれ、オス)及び No.95(2010年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月14日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月25日に営巣・抱卵開始を確認したペアである。
5月14日午前5時25分頃から9時40分頃にかけ、巣の空いた状態が観察され、以降抱卵を再開する様子が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

(3)

(1)個体番号:No.143(2011年生まれ、オス)及び No.159(2011年生まれ、メス)
(2)確認日:平成26年5月14日(水)
(3)場 所:新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、5月6日に営巣・抱卵開始を確認したペアである。
5月14日午前5時50分頃から6時15分頃にかけ、巣の空いた状態が観察され、以降抱卵を再開する様子が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。