野生下のトキのヒナへの足環装着及び営巣状況について

平成26年4月30日、環境省からの発表で、本日、野生下のトキのヒナへの足環装着を行いましたので、お知らせします。また、本日時点での野生下のトキの営巣状況について、併せてお知らせします。

営巣が確認されているペアは20組、そのうち4組で育雛、15組で抱卵が確認されています。

1. 足環装着等を行ったペア

(1)個体番号: No.86(2009年生まれ、オス)及び No.134(2011年生まれ、メス)
4月23日 ヒナ2羽を確認
(2)確認日: 平成26年4月30日(水)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

5:51 林内作業班7名が営巣木のある林内に入る。
5:54 営巣木直下に到着し準備作業を開始。親鳥は巣から飛去。
7:02 捕獲作業員が営巣木にロープを用い登り始める。
7:26 巣に到着しヒナ1羽を確認。ロープで収容カゴを樹上に引き上げる。
7:31 捕獲作業員がヒナ1羽を捕獲し、収容カゴに入れる。
7:32 収容カゴをロープで下ろし、地上で足環装着、身体測定(自然翼長・跗蹠長、嘴峰長)、羽毛採取(4枚、血液を用いた雌雄判別等に使用)、写真撮影を行う。同時に樹上で巣の計測等を実施
7:43 収容カゴを樹上に引き上げ、ヒナ1羽を巣に戻す。
8:01 全ての作業を終了し、林内から撤収。
10:00 親鳥(No.134)が巣に戻る
10:08 親鳥(No.134)のヒナへの給餌を確認。

※4月23日にヒナ2羽を確認して以降、29日早朝までは2羽の姿が観察されていたが、本日の作業時に1羽となっていた理由については不明である。

(5)捕獲したヒナの状況:

○体重 : 1,075g
○自然翼長 : 230mm
○跗蹠長  :67.3mm
○推定日齢 : 25日齢程度
○装着した足環
 ・ナンバーリング:プラスチック製の番号足環(「A07」を刻印)、左関節下
 ・補助カラーリング:プラスチック製の黄・黒色の足環、右関節下に3個
 ・金属リング:環境省が定める全国共通の足環、左関節上
○ヒナの健康状態 : 良好

(6)営巣環境等

営巣環境等
営巣木 : スギ
巣の高さ : 20.6m
巣の大きさ : 長径70cm、短径40cm、厚さ20cm、深さ5cm
巣の下で卵の殻1個分を回収。

 

<作業実施体制>
林内作業(7名)
作業統括(環境省職員)
ヒナ捕獲作業員(山階鳥類研究所研究員)
足環装着(佐渡トキ保護センター職員)
保定(佐渡トキ保護センター職員)
記録(新潟大学職員、環境省職員2名)
林外作業(1名)
モニタリング(調査請負事業者職員)

 

20140430_足環装着1 20140430_足環装着後のヒナ1

2.営巣・抱卵を確認したペア

(1)個体番号: 足環なし(2012年生まれ、オス)及び No.96(2010年生まれ、メス)
(2)確認日: 平成26年4月28日(月)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

No.96は、今期No.06とペアを形成し、3月31日に抱卵が確認されていたが、4月18日に抱卵中止が確認されていた。
4月28日午前9時頃に、巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を開始したものと判断した。前日に巣の空いた状態が観察されており、それ以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

3.抱卵中止を確認したペア
 (1)

(1)個体番号: No.71(2009年生まれ、オス)及び No.79(2010年生まれ、メス)
(2)確認日: 平成26年4月28日(月)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、3月25日に抱卵開始を確認したペアである。
4月28日午前6時30分頃から7時30分頃にかけて、巣が空いた状態となり巣に戻る様子が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、巣の観察時に巣の下を踏査したところ、卵の殻1個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

 (2)

(1)個体番号: No.105(2010年生まれ、オス)及び No.157(2010年生まれ、メス)
(2)確認日: 平成26年4月30日(水)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月24日に抱卵開始を確認したペアである。
4月28日午前8時10分頃から11時頃にかけて、巣が空いた状態が観察され抱卵する様子が確認できず、本日9時頃に観察を行った際にも巣が空いた状態となっていたため、抱卵を中止したものと判断した。
なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

4.営巣中止を確認したペア

(1)個体番号: No.84(2009年生まれ、オス)及び 足環なし(2012年生まれ、メス)
(2)確認日: 平成26年4月28日(月)
(3)場 所: 新潟県佐渡市
(4)経 過:

このペアは、4月15日に営巣を確認し、4月18日に樹上カメラを設置していたペアである。
4月20日午前8時45分頃に1羽が巣造りする様子が最後に確認されて以降、巣造りする様子は観察されず、4月29日9時30分頃に観察を行った際にも巣が空いた状態となっていたため、営巣を中止したものと判断した。
なお、営巣を中止した理由は不明である。

【繁殖期のトキの観察について】
繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。