野生下トキ 今期最初の抱卵確認

平成26年3月20日、環境省からの発表で、新潟県佐渡市において、営巣が確認されていたトキのペア1組が抱卵を開始したことが確認されました。
今年最初のトキの抱卵確認となります。

1 抱卵を開始したペアについて

(1)個体番号 :No.81(2007年生まれ、オス) 及び No.66(2009年生まれ、メス)

(2)確認日 :平成26年3月20日(木)

(3)場 所 :新潟県佐渡市

(4)経 過 :
 この2羽は、飼育番号No.34(2001年生まれ オス)とNo.58(2003年生まれ メス)の子できょうだい(兄妹)にあたり、昨年の繁殖期において、生まれたヒナ4羽を収容したペアである。
3月11日(火)に水田に隣接する雑木林で、コナラの木の地上からおよそ十数メートルの高さに営巣しているのが確認された。
本日3月20日(木)午前8時20分頃、市民ボランティアが巣を観察していたところ、巣上に1羽が座り込んでいる様子が観察され、9時40分頃、当省職員が確認を行ったところ、No.81(オス)が長時間にわたり巣上に座り込む様子が確認されたため、昨日から本日にかけて産卵した可能性が高く、本日、抱卵を開始したものと判断した。

2 きょうだいペアへの対応
 きょうだいペアから生まれるヒナについては、昨年と同様に、孵化確認後、飼育下で育てることを目標とし捕獲を試みることとします。ただし、観察が困難でヒナの日齢の把握が難しい場合や営巣木への登攀が困難な場合など、捕獲条件によっては実施を見送る場合もあります。

3 その他の個体の状況
 現在、佐渡島内では、本ペアも含め25組程度のトキが、特定のエリアを中心に雌雄2羽で行動する様子が観察されています。特定の林に枝を運び込んで巣を作ろうとする様子や擬交尾が確認されている個体も多く、これらの中から、順次、営巣ペアが確認される可能性が高いと思います。

野生下トキ
巣に座りこむNo.81(写真中央下、赤丸部分)

 【繁殖期のトキの観察について】
 繁殖期はトキが最も敏感になる季節です。人が巣に近づくとトキが危険を感じて巣を放棄してしまうこともあります。また、 一時的に巣から離れたスキにカラスなどの天敵に卵を奪われてしまう可能性もあります。そのため、トキの子育てが成功することを願って、 ヒナが巣立つ6月ごろまで営巣地への接近などは控えてくださいますよう、ご協力をお願いします。